2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ制御された細胞認識素子の設計と生体計測・組織工学への展開
Project/Area Number |
15100008
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
赤池 敏宏 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (30101207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 敏行 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (10210923)
原田 伊知郎 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (00361759)
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Keywords | 細胞外マトリクス / 細胞認識 / 肝細胞 / ナノ粒子 / マトリクスデバイス / 光重合 / 2光子吸収 / 2光子励起重合 |
Research Abstract |
本研究の最終目標はComputer-Aided Matrix Biology (CAMB)というコンセプトに基づき、人工ナノファイバーで構成された細胞外マトリクスを二光子励起法によって作成し、二次元/三次元的ゲル内培養に替わる新しい培養法を確立することである。さらに、作製した三次元フレームに対して我々が開発する細胞認識ナノ素子を導入することで細胞の制御と計測を微小な空間スケールで行う。昨年度中に細胞認識素子の開発が順調に進んだため、平成16年度では2光子励起法によって作製したフレーム上への細胞培養技術について検討を並行して行った。まずパターニング培養による細胞の挙動解析として、細胞の移動・増殖に伴う細胞外マトリクス(ECM)との力学的相互作用に着目し、均一弾性体ゲル上にECMパターニングした培養基質と2光子励起法によって作製したマイクロポスト林立基盤を作製した。2種類の力学計測システムによって細胞運動挙動の比較を行った。その結果、均一弾性ゲル上パターニング培養では細胞の牽引力を0.4nN、マイクロポスト林立基盤上では0.01nNの分解能で細胞の力学挙動を計測することが可能であった。さらに、細胞がパターンを認識しつつ運動をしていたことからパターニング培養のもっとも重要なコンセプトである、細胞をパターンに従い整列培養することも可能であることが示唆され本年度の目的が達成された。 渡辺グループは2光子励起重合により、2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)からなるマイクロニードルアレイを合成した。マイクロニードルアレイの太さは約0.8μm、長さ7μm、間隔は5μmであった。また、ポストの弾性率は架橋剤の導入率により1x10^3Pa〜4x10^3Paの範囲で制御できた。このマイクロニードルアレイ上でSwis-3T細胞を培養し、ニードルの曲がり方から、細胞が発生する牽引力を測定した。また、2光子励起重合により、ハイドロゲルを重合するための親水性の開始剤を合成した。従来の親水性開始剤はその2光子吸収断面積が100GM(1GM=10^<-50>cm^4s/photonmolecule)程度しかなかった。これに対して我々が開発したアゾメチン誘導体の2光子吸収断面積は約500GMあることが判明した。
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Research Products
(7 results)