2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ制御された細胞認識素子の設計と生体計測・組織工学への展開
Project/Area Number |
15100008
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
赤池 敏宏 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 教授 (30101207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 敏行 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究部, 教授 (10210923)
原田 伊知郎 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 助手 (00361759)
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Keywords | 細胞外マトリックス / 細胞認識 / 肝細胞 / ナノ粒子 / マトリクスデバイス / 光重合 / 2光子吸収 / 2光子励起重合 |
Research Abstract |
本研究の目的は細胞認識性ナノプローブを新たに設計し細胞の動態計測や機能制御素子として用いることで細胞微小環境の制御を実現することであった。本課題の中心的テーマは細胞の足場となるマトリックスの空間的・時間的情報伝達の制御を目標とすることである。その具体的な方法として、本研究における第一の研究課題である細胞認識性分子の設計においては、遺伝子組換え法を駆使して固相化の容易な各種サイトカインや細胞間接着分子であるカドヘリンファミリー等を表面アンカリング型キメラタンパク質への変換することにより、通常の接着分子であるインテグリンに依存しない新規機能性マトリックスの設計・作製に成功した。その結果、目的の細胞を特異的に認識するリガンド分子の導入により、特異的な認識能と、医薬品や遺伝子、siRNA、タンパク質などをコントロールリリースできるキメラタンパク質の設計に成功した。 次に、固定化型サイトカインを直径1〜3μmのポリスチレン粒子に固定化し、EGF固定化型粒子によって細胞の走化性を特定の方向へ誘導することが出来ることが示された。さらに、その細胞の動的挙動を追従することができるようなシステムの確立も本プロジェクトの目標でありそのことが達成された。 また本テーマの最終目標としての、2光子励起法によって作製したフレーム上への細胞培養技術について検討を行うこと、さらにパターニング基質上に培養した細胞の挙動解析について達成された。新しい培養基質上の細胞は伸展・移動を活発に行い通常の培養条件と同様の生理活性を示すとともに細胞とECMの相互作用を動画解析システムによって解析することに成功した。
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