2004 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトナノスペース中へのクリーンエネルギー気体高密度貯蔵
Project/Area Number |
15101003
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
金子 克美 千葉大学, 理学部, 教授 (20009608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 博文 千葉大学, 理学部, 助教授 (60334166)
東郷 秀雄 千葉大学, 理学部, 助教授 (60217461)
小西 健久 千葉大学, 理学部, 助手 (40302525)
石井 千明 千葉大学, 工学部, 助手 (30291305)
田中 秀樹 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (80376368)
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Keywords | ナノ空間 / 気体吸着 / 電気伝導度 / 単層カーボンナノチューブ / 水蒸気クラスター / 同位体分離 / 有機無機ハイブリッド錯体 / 分子シミュレーション |
Research Abstract |
単層カーボンナノホーン(SWNH),単層カーボンナノチューブ(SWNT)、活性炭素繊維(ACF),銅有機錯体結晶を用いて、ナノ空間の特殊な分子場の解明と水素、メタンなどクリーンエネルギーである気体の吸着特性を検討した。SWNHについては、位置の不確定性に基づき、軽い水素は重い重水素分子よりも小さく、単層壁のナノスケールの窓の透過性が悪いために、吸着量が10%以上も小さいことを見出した。この選択的水素・銃水素分子吸着性を実験と統計力学シミュレーションの両面から明らかにした。また、水蒸気あるいはCO_2などの電荷移動の可能性がある気体吸着とSWNHの電子伝導性を検討した。電子供与性の水蒸気とCO_2を吸着すると、可逆吸着にも拘らずnタイプの電気伝導性変化を生ずることを見出した。その理由が吸着時に単層の壁がひずむことに関係している可能性を見出した。SWNTについては、触媒金属を除去する条件を検討し、不純物金属量を1wt.%以下に抑えた試料を調製し、SWNHと同様な選択的水素・銃水素分子吸着性を見出した。また、SWNHの圧縮条件を変えながら、ナノ細孔を制御してメタンの吸着量を飛躍的に増大させた。 ACFとSWNHについては、疎水性ナノ空間物質として、水分子のクラスター形成のあり方を、統計力学シミュレーション、その場小角X線散乱(SAXS)などから検討した。その結果、スリットナノ空間では、0.6nmの水クラスターを生ずると、疎水性のナノ空間でも十分に安定化できることを示した。また、吸着量の温度依存性から、クラスターの熱的安定性が315Kを境に急変することを、SAXSの揺動強度変化から示した。 銅有機錯体結晶については、メタン吸着能の温度依存性を調べ、ゲート圧力と温度との関係から、メタンを取り込んだ包接化合物の生成を推定した。また、吸着特性が圧力とともに二段階で吸着現象が進行する化合物の探索に成功した。 以上の成果のうちの一部は論文として公表中である。
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Research Products
(7 results)