2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15101008
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宍戸 昌彦 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60026268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 高史 岡山大学, 工学部, 講師 (80321735)
瀧 真清 岡山大学, 工学部, 助手 (70362952)
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Keywords | 非天然アミノ酸 / 拡張翻訳系 / アミノアシル化 / 直交化tRNA / 翻訳伸張因子 / 蛍光性アミノ酸 / ペプチド核酸 |
Research Abstract |
(1)ミセルを介したtRNA非特異的アミノアシル化:単離したtRNAを非天然アミノ酸で簡便にアミノアシル化する方法として、ミセル中でtRNAと活性化アミノ酸を混合した。それだけではほとんど反応しなかったが、これに超音波照射することにより、70%の収率でアミノアシル化が起こることがわかった。またアミノアシル化は約70%の選択率でtRNAの2'あるいは3'末端OH基に起こっていることがわかった。これはいままで報告されている中でもっとも簡便なアミノアシル化方法である。 (2)直交化tRNAの発見:非天然アミノ酸のキャリアーとしてのtRNAは、系中のアミノアシル化酵素を介した天然のアミノ酸によるアミノアシル化を受けてはならないが、いったん非酵素的にアミノアシル化されると効率よくリボソームにアミノ酸を受け渡すことが必要である。この直交化条件を満たすtRNAを種々のtRNAをもとに探索した結果、ウシミトコンドリア由来のものなどが見出された。 (3)翻訳伸張因子(EF-Tu)と非天然アミノ酸担持tRNAとの結合:アミノアシル化tRNAをリボソームに送り込む酵素であるEF-Tuが、種々の非天然アミノ酸を担持したtRNAにも有効であるかどうかを確認した。その結果、かなり大きなアミノ酸を担持したtRNAであってもEF-Tuと結合することが明らかになった。 (4)新規蛍光性非天然アミノ酸の作成:非天然変異蛋白質のもっとも重要な用途である蛍光基導入のためのアミノ酸を新規に設計し合成した。それらは細胞固有の蛍光がすくない480nmのレーザー光で励起可能であり、500nm以上の蛍光を高い量子収率で発することが分かった。 (5)細胞導入可能な新規ペプチド核酸の合成:細胞に容易に導入できるように水溶性を高めた新規ペプチド核酸を設計し合成した。
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