Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 泉 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40154744)
柳田 英二 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80174548)
小川 卓克 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20224107)
石毛 和弘 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90272020)
松村 昭孝 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60115938)
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Research Abstract |
1.Navier-Stokes方程式の適切性と流体力学との関連 流体力学サイドにおいては,今日,計算機能力の飛躍的な進歩に伴ってNavier-Stokes方程式の解を数値実験によって求め,乱流をも含む様々な流れの場を矛盾なく説明しているようである. 一方,コンピューターを用いる以前に,まずは解析計算によって解の性質を調べようと試みる古典的な純粋数学の立場もある.本研究では,Navier-Stokes方程式の数学サイドから研究を紹介し,ミレニアム問題を中心とした同方程式に関する課題を列挙し分類を行った.とくに,「乱流の発生が解の正則性の崩壊と対応している」との数学者の見解と,多くの流体力学者によって指示されている「乱流の発生には解の特異性の議論は必要ない」との知見との比較を行った.渦度が有限でとどまる限り,解の正則性が保証されることに注目し,乱流発生が渦度の挙動と密接な関係にあることを偏微分方程式の適切性に関する研究から解き明かした. 2.弱L^r空間におけるNavier-Stokes方程式の弱解の内部正則性 3次元空間内の任意の開集合と時間変数との直積空間におけるNavier-Stokes方程式の弱解の内部正則性を考察した. ここで、対象となる弱解は領域の境界にいかなる条件をも課していないことが重要である.これまでNavier-Stokes方程式の弱解の内部正則性定理は,多くの場合境界条件としてDirichlet条件を仮定し,同部分領域における解の滑らかさを導出していた.このように対象となる領域の境界値を指定して,弱解の内部正則性を導くことは,通常の非線形楕円型,放物型に対するものとは異なるが,Navier-Stokes方程式の場合,いまひとつの未知関数である圧力の制御のためにやむを得なかった.そこで,本研究ではSerrinの提唱した渦度の方程式に着目して,弱解の境界条件を取り除くことに成功した.
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