2007 Fiscal Year Annual Research Report
ゾル-ゲル転写システムを活用した機能性有機・無機複合物質群の創製
Project/Area Number |
15105004
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
新海 征治 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 教授 (20038045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐田 和己 九州大学, 工学研室院, 准教授 (80225911)
竹内 正之 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ有機センター, グループリーダー (70264083)
藤田 典史 九州大学, 工学研究院, 助教 (10346819)
新森 英之 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (40311740)
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Keywords | 自己集合 / ナノワイヤ / 有機 / 無機複合材料 / 分子認識 / 電子材料 / 遷移金属錯体 |
Research Abstract |
本研究は、新しい有機・無機複合化概念のもと、ゾル-ゲル反応を利用することで適切なデザインにより、新しい機能性有機・無機複合材料を開発することが目的である。昨年度までに、様々な有機鋳型に対してゾル-ゲル転写法を適用し、その応用範囲を拡張してきた。本年度は有機材料単独もしくは無機材料単独からでは得られない新しい物質群の創製とそれらの機能評価を進めることを目的として、さらなる高機能性有機・無機複合材料の開発に向けた機能性の有機集合体の開発を進めた。 8-キノリノール金属錯体にゲル化駆動部位として長鎖アルキル基を有する没食子酸部位や分子間水素結合を形成するアミド部位を導入し、8-キノリノール骨格自身のπ-π相互作用による安定化も期待してキノリノール配位子を基体とする低分子ゲル化剤を設計した。中心金属には平面四配位型の配位構造を有する金属イオン3種(Pd(II)、Pt(II)、Cu(II))を検討した。 得られたゲル化剤は炭化水素系や芳香族系、アルコール系、THFなどの極性溶媒もゲル化する良好なゲル化剤であった。得られたゲルの詳細な構造分析を行った。ゲルの内部には繊維状の分子集合体が三次元的にからみ合った網目構造が確認された。X線回折と高分解能透過型電子顕微鏡により、カラムナー構造を有する一次元状分子集合体がrectangular型にパッキングし、バンドルを形成している様子が明らかとなった。8-キノリノールPt(II)錯体は常温でリン光発光性を示すことが知られている。この化合物を核に有するゲル化剤で調製したゲルは溶液状態の8-キノリノールPt(II)錯体に比べ、酸素によるリン光の消光が著しく抑制された。三種類の金属イオンを用いて合成した低分子ゲル化剤からそれぞれ調製したゲルをITO電極に塗布し、低分子ゲル修飾電極を作成した。ある閾電圧で、それぞれ半導体性を有する低分子ゲル繊維の先端からの電子の放出(電界電子放出)が確認された。ゾル-ゲル転写法を適用することで、耐久性の高い電界電子放出材料の構築が期待できよう。
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Research Products
(4 results)