2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ・セルプロセッシングのための熱流体高機能プロセス発現機構の創成
Project/Area Number |
15106004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
笠木 伸英 The University of Tokyo, 大学院・工学研究科, 教授 (80107531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠木 伸英 東京大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80107531)
鹿園 直毅 東京大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30345087)
牛田 多加志 東京大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50323522)
古川 克子 東京大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90343144)
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Keywords | バイオ関連機器 / 再生医学 / 熱工学 / 流体工学 / マイクロマシン |
Research Abstract |
昨年度検討した表面効果を用いたマイクロセルソーターでは,プラグ状の細胞サンプルを用いる必要があることから,細胞懸濁液を時間連続的に処理することができなかった。そこで,今年度は,抗原抗体反応による表面効果を用いて目標細胞の流路幅方向への移動を誘起する全く新しい抗体固定壁面構造を提案し,マイクロマシン技術を用いて細胞分離流路(図3)を製作した。モデル粒子を用いた実験により,壁面上の抗体による表面効果を受ける粒子のみが流路幅方向に移動することを確認し,本原理を用いた連続処理型セルソーター実現の可能性を示した。 また,これまで検討してきた温度感受性ゲルと,壁面勇断速度一定の試料流れを設けるためのコーン,プレート装置を用いた細胞分離の予備実験を行い,分離精度が高く,回収も容易な細胞採取法が実現できることを明らかにした。さらに,抗体混合温度感受性ゲル表面を有する細胞捕獲デバイスに試料流入,流出部を設けることで体外循環システムとの接続を可能とすることを目指したシステムの設計およびプロトタイプの製作を行った。また,デバイス内でHUVECおよびHL-60をそれぞれ抗体混合温度感受性ゲル表面に捕獲することに成功した。 以上,本研究では,マイクロ熱流体における新しい機能発現,そしてそれらを利用した複数のコンポーネント,さらにはシステムの構成において従来にない新しい原理と設計指針を得ることができた。これらは,学術的価値のみならず,複数の特許出願に結びつくなど,技術的にも高い価値を有するものと考えている。
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Research Products
(6 results)