2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15106012
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
西岡 将輝 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, コンパクト化学プロセス研究センター, 研究員 (00282575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 光夫 東京大学, 教養学部・特別教育研究職員, 特任講師 (30361512)
内田 雅樹 工学院大学, 環境化学工学科, 講師 (10100273)
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Keywords | O-イオン / ラジカル / C12A7 / VOC / ナノケージ材料 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ナノゲージ材料である12CaO・7Al_2O_3(C12A7)をO^-生成源として、C12A7の環境・医療技術、半導体プロセスなど、あらゆる分野への応用を検討することにある。 今年度は、これまでに改良を進めてきた大気圧中でのイオン分析技術を利用し、Cl2A7から発生したO^-の大気中での形態を調べることで生成や反応メカニズムの検討を行った。また、大気中に生成したO^-および、水中に溶解したO^-を利用することで、排気ガス浄化など環境プロセスへの応用研究を行った。具体的には下記の通りである。【C12A7から発生するO^-の大気圧条件化での挙動】大気圧下でC12A7から生成するO^-,負イオン種の測定を四重極質量分析計を用いて行った。これまで20Torrまでの負イオン種の測定を行ったが、装置改良・測定条件の最適化を行った結果、C12A7から生成する負イオン種を大気圧下で初めて測定することができた。大気圧付近の測定では、O^-(H_2O)_nやO_3^-(H_2O)_nなどの酸素負イオンを核にした水クラスタ構造を取ることが確認された。また負イオンのみならず、H^+やH^+(H_2O)_nのクラスターなど正イオン種の生成も確認された。このことから、大気圧中では、酸素負イオンクラスタと正イオン種との再結合により中性のクラスタとしてOH(H_2O)_nのような活性化学種が関与する反応機構を提案することができた。【気相O^-を利用した応用用途】代表的なシックハウスガスであるホルムアルデヒドあるいはアセトアルデヒドを含むガスを、400℃のC12A7粒子充填層を通過させることによりCO2に変換することが出来た。また、排ガス中のSOxを除去する脱硫プロセスにおいて、C12A7由来の負イオン種を添加することで脱硫率を高めることがわかった。【液相O^-を利用した応用用途】O-を含むガスを気泡の形で水中に導入するとO^-が水側に移行し、O^-を含んだいわゆるO^-水が生成することがわかった。この水は、大腸菌の細胞膜を破壊するとともに、DNAに損傷を与えるなど、強力な殺菌作用を有することが確認できた。本年度はこのO^-水をより効率的に生成する方法を検討し、C12A7以外のセラミックとしてアルミナやムライトも有望であることが判明した。
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Research Products
(12 results)