2006 Fiscal Year Annual Research Report
既知および未知の細胞間シグナル分子による植物形態形成の調節
Project/Area Number |
15107001
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柿本 辰男 大阪大学, 理学研究科, 教授 (70214260)
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Keywords | サイトカイニン / 気孔 / メリステモイド / メディエーター |
Research Abstract |
植物の形態形成には、動物の場合と同様に、細胞間のシグナル分子が重要な役割を果たしている。本研究では、既知の植物ホルモンがどのように形態形成に関わっているのかを深く追求するとともに、新規のシグナル分子をできるだけ多く同定し、その役割を解明していく。 既知ホルモンであるサイトカイニンの移動に関しては未だ良く解っていない。私達は、これまでの研究で、サイトカイニン合成酵素遺伝子の多重破壊株(atipt1;3;5;7)を作成しており、これはサイトカイニンの輸送や作用の研究の良い材料となる。多重破壊株(atipt1;3;5;7)と野生型をそれぞれ、台木と接ぎ穂、接ぎ穂と台木にして接ぎ木をおこなったところ、どちらの組み合わせでも突然変異体の表現型が回復したことにより、機能的に十分な量のサイトカイニンの輸送が証明された。また、根から地上部にはトランスゼアチン型サイトカイニンが、地上部から根へはイソペンテニルアデニン型サイトカイニンが輸送されることをはっきりと示した。 新規の細胞間情報伝達因子としては、気孔パターニングの制御因子に関する解析を行った。通常、気孔は互いに隣接しないように形成される。EPF1はメリステモイド(孔辺細胞の前駆体)と孔辺細胞、EPF2はメリステモイド母細胞とメリステモイドで発現しており、細胞外分泌シグナルを持つタンパク質をコードする。EPF1は隣接細胞の極性を調節して隣接した気孔の形成を阻害しているのに対して、EPF2は気孔系列の数を調節していることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)