2007 Fiscal Year Annual Research Report
既知および未知の細胞間シグナル分子による植物形態形成の調節
Project/Area Number |
15107001
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柿本 辰男 Osaka University, 理学研究科, 教授 (70214260)
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Keywords | サイトカイニン / オーキシン / 気孔 / メリステモイド / シグナル伝達 |
Research Abstract |
多細胞生物の形態形成には、細胞間のシグナル分子が重要な役割を果たしている。本研究では既知の植物ホルモンがどのように形態形成に関わっているのかを深く追求するとともに、新規のシグナル分子をできるだけ多く同定し、その形態形成における役割を解明することを目的とする。 存在が推定される細胞間の協調作用の解析のために、組織内の単一の細胞だけで植物ホルモンのシグナルを動かしたり、阻害する系を作成した。具体的には、熱誘導プロモーターの制御下にCREを発現させ、CREの作用によってLoxの相同組換えが起きれば、オーキシンまたはサイトカイニンの情報伝達系の正の制御因子、負の制御因子、および合成酵素の遺伝子などが発現する系が確立し、サイトカイニン応答に関してはその作用が単細胞に留まる事、オーキシンに関しては細胞間の協調作用がある可能性が示された。 サイトカイニンの役割に関しては突然変異体を用いて詳しい解析を行い、サイトカイニンは二次肥厚の重要な調節因子であることを示した。 メリステモイド形成に必須の不等分裂の制御メディエーターとして働く分泌ペプチドEPF1、メリステモイ母細胞の密度決定の制御メディエーターとして働く分泌ペプチドEPF2を見いだした。また、遺伝学的解析により、EPF2は、気孔系列の初期に働く転写因子であるSPCHによる制御下にあることもわかった。
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Research Products
(4 results)