2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝情報系と細胞シグナル系における超分子複合体の立体構造と機能
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15107002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 茂之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00159229)
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Keywords | X線結晶構造解析 / 立体構造 / 翻訳 / 複製 / 相同組み換え / RNA修飾 / アミノアシルtRNA合成酵素 / Dmc1 |
Research Abstract |
1.遺伝暗号の翻訳に働くタンパク質の構造解析 tRNAのアンチコドン1文字目の修飾ヌクレオチドの1つであるイノシンの生成を触媒するtRNAアデノシンデアミナーゼ(TadA)の結晶構造を決定し、tRNAとの結合モデルからその反応機構を推定した。また、アンチコドンループのメチル化をつかさどる酵素であるTrmDとtRNAとの複合体の結晶化を行い、十分な反射を与える結晶を得ている。さらに、tRNAのL字型コアへの修飾の導入において、tRNA、ArcTGT、TruBから構成されると考えられる超分子複合体「モディフィコソーム」のX線構造解析を行うための準備として、TruBの発現・精製を行い、これらの三重複合体の形成をゲルシフトアッセイによって検証した。 22番目のアミノ酸として知られるピロリジンをtRNAに付加するピロリジルtRNA合成酵素(PylRS)の活性ドメインの構造を決定し、特殊なアミノ酸であるピロリジンの認識に関する重要な知見を得た。さらに、PylRSが非天然のアミノ酸をtRNAに付加する特性があることが明らかになり、バイオテクノロジーへの応用が期待できる。また、同様に非天然アミノ酸であるヨードチロシンを結合した変異体チロシルtRNA合成酵素(TyrRS)の構造解析により、人工アミノ酸の取り込みのメカニズムを明らかにした。 2.DNAの複製と相同組み換え 減数分裂において染色体の相同組換反応をつかさどるタンパク質Dmc1の結晶構造を解明した。Dmc1は、8量体のリングが二重に重なり合ったダブルリング構造をとっており、これに基づいて、リングの中心の穴に二重鎖DNAが、リング-リング間の隙間に出来た穴に単鎖DNAがそれぞれ結合する相同組換中間体の新たなモデルを提唱した。
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Research Products
(10 results)