2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15109001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福山 透 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10272486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳山 英利 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (00282608)
菅 敏幸 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (10221904)
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Keywords | ストリキニーネ / インドール / 中大員環構築 / FR901483 / アルカロイド / カゴ型骨格 / ナフチリジノマイシン / Ugi4成分連結反応 |
Research Abstract |
本年度は以下にあげる天然物の全合成を中心に研究を行った。 ストリキニーネは古くから植物起源の最も強力な毒素の一つとして知られているインドールアルカロイドの一種である。当教室で開発された2,3-二置換インドール合成法を用いてインドール骨格を構築した後、リパーゼを用いた光学分割を利用して不斉合成したエポキシドとをハラジウム触媒を用いて縮合した。その後、2-ニトロベンゼンスルホンアミドを用いた中員環合成法を利用して中員環合成を行い、骨格の外枠を構築した。酸化的に六員環部分を解裂し、保護基を除去したところ、環化反応が進行し五環性化合物を得ることに成功した。その後、数段階をへてストリキニーネへと導いた。 FR901483は藤沢薬品工業のグループによって単離された新規免疫抑制活性化合物である。カゴ型の3環性骨格の構築と、そこにちりばめられた水酸基およびアミノ基の立体制御が全合成達成の鍵となる。まずアクリル酸エステルに対するニトロメタンのMichael付加により容易に得られるC3対称な化合物を原料として用いて、左右対称なスピロラクタムを経た後、分子内アルドール反応を用いて三環性骨格を効率的に構築した。骨格の特徴を生かした立体選択的な水酸基、メトキシベンジル基、およびアミノ基の導入を行い、FR901483の全合成を完了した。 ナフチリジノマイシンは、放線菌より単離された抗腫瘍性アルカロイドである。本研究ではまず、当教室で開発されたキラルテンプレートを用いてフェニルグリシノール誘導体を合成した。Ugi反応およびその後の環化を経てジケトピペラジンへと変換した。続いて分子内Heck反応を行うことで、ビシクロ骨格の構築に成功した。その後数段階を経て、天然物の有するすべての炭素原子を備えた合成中間体を光学活性体として合成した。
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Research Products
(19 results)