2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15109005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹島 浩 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (70212024)
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Keywords | リアノジン受容体 / ジャンクトフィリン / カルシウムストア / 小胞体 / 興奮性細胞 / 筋収縮 |
Research Abstract |
細胞質のCa2+濃度の上昇は生理的反応のスイッチとなっており、その制御は神経伝達物質やホルモンの放出、筋細胞の収縮、細胞増殖や細胞死など多彩な細胞機能に及んでいる。本研究では興奮性細胞のCa2+放出機構とストアの構造を包括的に理解するための分子的基盤を整備することを目的として、リアノジン受容体とジャンクトフィリンの生理機能の解明、筋小胞体のタンパク質の新規同定とその機能解析を遂行している。平成15年度の主要な研究成果としては、以下のものがあげられる。1)中枢系では3型と4型のジャンクトフィリンサブタイプ(JP3 & JP4)が発現しており、極めて類似した脳内分布を示すことが既に明らかなっている。平成17年度には、それらの生理機能を明らかにするために、JP3とJP4を同時に欠損する変異マウス(JP-DKO)の解析を遂行した。JP-DKOマウスは記憶学習能力で劣っており、海馬CA1神経可塑性である長期増強の障害が観察された。CA1錐体細胞においてはリアノジン受容体による小胞体Ca2+放出がCa2+依存性K+チャネルを活性化することが認められるが、JP-DKOにおいてはその機構が欠損していた。それに付随して生じると予想される細胞内Ca2+シグナリング異常が引き金になり、Ca2+カルモジュリン依存性キナーゼの異常活性化が観察された。従って、JP3とJP4は中枢にて協調的に小胞体リアノジン受容体のCa2+放出機構をサポートしていることが示された(論文投稿中)。2)心筋・骨格筋の横行管を含む表層膜に特異的分布するミツグミン53(MG53)の欠損マウスの解析を遂行した。MG53欠損マウス心筋では電気生理学的異常が観察され、ある特定の電位依存性K+チャネル機能の低下が明らかになった。細胞生物学的解析からMG53はK+チャネルの細胞膜と小胞体サイクルに寄与することが考察された(論文投稿中)。
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Research Products
(7 results)