2004 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎に対する樹状細胞の機能制御による細胞免疫療法の開発
Project/Area Number |
15109006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 紀夫 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00144478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹原 徹郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (70335355)
考藤 達哉 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座助教授 (80372613)
平松 直樹 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座助手 (30362700)
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Keywords | NK細胞 / 樹状細胞 / C型肝炎 / インターフェロン / リバビリン / NKレセプター / 先天免疫 / 獲得免疫 |
Research Abstract |
樹状細胞(DC)とNK細胞は先天免疫応答に関与する代表的な免疫担当細胞である。C型肝炎患者におけるNK細胞レセプターの発現を検討したところHLA-Eを認識する抑制性レセプターであるCD94/NKG2Aの発現が有意に亢進していた。K562などの古典的なNK感受性株とは異なり検討したすべての肝癌細胞株はHLA-Eが陽性であり、C型肝炎患者のNK細胞はこれらの肝癌細胞株に対して細胞傷害活性が減弱していた。さらに、C型肝炎患者のNK細胞は肝癌細胞の存在下において、DCの成熟誘導・活性化が減弱していた。これらの異常がCD94/NKG2Aの発現亢進によることがNKG2A抗体を用いたブロッキング実験により示された。以上のことから、C型肝炎ウイルス感染に伴ってNK細胞レセプターの発現に異常があることが明らかとなり、この異常は先天免疫のみならず獲得免疫にも影響を与えることが示唆された。次に、DCのIFNαおよびRibavirinに対する反応性とPegIFNα+Ribavirinによる治療効果との関連を検討した。単球由来DCのTh1誘導能をGM-CSF+IL-4単独刺激群、+IFNα添加群、+IFNα+Ribavirin添加群の3群間で比較し、IFNαあるいはIFNα+Ribavirinの添加により20%以上Th1細胞が増加する場合をIR-Th1誘導性(+)と判定した。IR-Th1誘導性(+)に分類された患者からは全例EVRが得られたが、IR-Th1誘導性(一)の約60%ではEVRが得られなかった。PEG-IFN/Ribavirin治療でEVR(12W)が得られた患者は約70%の症例でSVRが期待できることから、治療前に単球由来DCのIFNα/Ribavirin反応性をTh1誘導能で評価することは、治療の反応性をある程度予測する上で参考になる可能性があると考えられる。
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Research Products
(6 results)