2005 Fiscal Year Annual Research Report
WT1タンパクを標的にした、白血病に対する免疫療法の開発
Project/Area Number |
15109007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉山 治夫 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70162906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 芳弘 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20273691)
尾路 祐介 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20294100)
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Keywords | WT1 / Wilm's tumor gene / 白血病 / 免疫療法 |
Research Abstract |
WT1ペプチドを用いた免疫療法の第I相臨床研究において、HLA-A*2404拘束性WT1ペプチドを0.3mg/body→1.0mg/body→3.0mg/bodyとdose escalationしながら、2週間毎に計3回投与した。この全投与患者26名のうち、AMLは12名で、(M1 2人、M2 1人、M3 6人、M4 2人、M5 1人)で、このうち臨床効果評価可能病変をもっていたのは8名であった。この8名のうち、(M1 1人、M3 1人、M4 2人)でWT1ワクチン投与後に微小残存白血病細胞が減少し(WT1検査でWT1値が低下した)、臨床効果が見られた。臨床効果の見られた4人のうち3人は、WTIワクチンの3回投与後、継続投与を行ない、天然型WT1ペプチド3.0mg/bodyを投与している32才、男性(M4)は2年10ヶ月、改変型WT1ペプチド3.0mg/bodyを投与している49才、女性(M1)と60才、女性(M3)の3人は、ともに2年11ヶ月にわたり、WT1ワクチンを投与しつづけているが、WT1ワクチンの投与部位の発赤、腫脹以外、副作用は見られていない。これらの3人では、WT1ワクチン投与前に存在していた(分子再発であった)微小残存白血病細胞が徐々に減少し、現在、白血病細胞の残存を示す分子マーカーであるWT1値は正常化しており、完全寛解が持続しているものと考えられる。32才、男性(M4)と60才、女性(M3)の2人について、WT1特異的CTL頻度をモニターしているが、2人とも有意なレベルでWT1特異的CTLが持続的に誘導されており、このことが、完全寛解の持続に寄与していると考えられる。
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Research Products
(4 results)