2007 Fiscal Year Annual Research Report
WT1タンパクを標的にした、白血病に対する免疫療法の開発
Project/Area Number |
15109007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉山 治夫 Osaka University, 医学研究科, 教授 (70162906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 芳弘 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20273691)
尾路 祐介 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (20294100)
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Keywords | WT1 / 白血病 / 免疫療法 |
Research Abstract |
WT1ペプチドを用いたがんに対する免疫療法の安全性を評価し、二次的に臨床効果と免疫効果を評価するための第I相臨床研究を2001年に開始した。WT1ワクチンを投与した12名のAML患者のうち、8人が臨床効果を評価しうる微小残存白血病細胞(MRD)をもっていた。この8人のうち4人は、2週間毎、計3回のWTワクチンの投与でMRDの減少が見られ、臨床効果があった。この4人のうち3人は、現在まで5年〜4年10ケ月にわたり、WT1ワクチンが継続投与されており、完全寛解が持続している。この3人は分子再発(WT1mRNAのレベルから、約10^<10>個の白血病細胞が残存していると推測される)の時点で、WT1ワクチンの投与が開始されているので、この長期のCRの持続は、本ワクチン療法が有用であることを示している。この3人には、WT1ワクチン投与部位の発赤、腫脹以外、重篤な副作用は見られない。また、白血病の前病変である骨髄異形成症候群に対する少量のWT1ペプチドを用いた第I相臨床研究を開始した。WT1ペプチドを5μg/body→15μg/body→50μg/bodyとdose upし、副作用と副次的に、臨床効果と免疫学的効果をみる。5μg/bodyのWT1ペプチドを投与した患者では、白血球(ほとんどが白血病細胞由来)が徐々に減少し、臨床的効果が出現した。また、テトラマーアッセイでは、メモリー型とエフェクター型の両タイプのWT1特異的CTLが増加した。
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Research Products
(4 results)