2003 Fiscal Year Annual Research Report
全身行動における「コツ」と「目の付け所」のヒューマノイド科学
Project/Area Number |
15200013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
國吉 康夫 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教授 (10333444)
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Keywords | コツ / ツボ / 目の付け所 / ヒューマノイド / ロボット / 起き上がり / 瞬発力 / モーションキャプチャ |
Research Abstract |
本研究では、ヒューマノイドの全身ダイナミック行動における「コツ」と「目の付け所」を、行動の動力学と情報構造における「疎な制御介入点」と「疎な制御情報抽出点」と捉え、これらを実験的に解明し、理論化し、応用例を構成することを目指しており、本年度は以下の成果をあげた。 1.人間の起き上がり動作の計測実験:ダイナミックな起き上がり動作を対象とし、人間の被験者にこれを実行させ、光学式モーションキャプチャ装置で運動計測を行った。関節空間や速度空間等での解析を行った結果、運動軌道が非一様を有し、まばらな収束領域を有することを確認した。これらが「コツ」と関連するものと予想される。 2.数値実験による起き上がり動作条件の解明:起き上がり動作の「コツ」の候補として、動作の成功を左右する力学的条件の解析を行い、計算機シミュレーションでその定量的評価を行った。その結果、上記(1)で確認された収束領域に対応する部分が、定量的にも厳しい条件になっていることを確認した。 3.等身大ヒューマノイドによるダイナミック起き上がり動作実験:等身大ヒューマノイドロボットを用いて、世界ではじめて、ダイナミックな起き上がり動作の実現に成功した。実現に際して、大きな瞬発力を生成可能な駆動システムと、非常に高速な制御システムを構築した。多数回の実験を行い、その運動データを解析した結果、成功例と失敗例を分ける特徴が、動作のタイミングにあることを明らかにした。 以上の成果は、国際会議等で発表し、高い評価を得た。また、テレビ、新聞等で広く報道され、多大な感心を集めた。 これにより、本研究の中心概念の一つである「コツ」について、その基盤が確立された。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] A.Nagakubo, Y.Kuniyoshi, G.Cheng: "The ETL-Humanoid System -- A High-Performance Full Body Humanoid System for Versatile Real World Interaction"Advanced Robotics. 17・2. 149-164 (2003)
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[Publications] Yasuo Kuniyoshi, Yasuaki Yorozu, Masayuki Inaba, Hirochika Inoue: "From Visuo-Motor Self Learning to Early Imitation -- A Neural Architecture for Humanoid Learning"Proceedings of IEEE International Conference on Robotics and Automation. 3132-3139 (2003)
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[Publications] Tomoyuki Yamamoto, Yasuo Kuniyoshi: "Flexibility of Human Rising : towards understanding and design of complex dynamical behaviors"Proceedings of CLAWARO3. 27-34 (2003)
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[Publications] Koji Terada, Yoshiyuki Ohmura, Yasuo Kuniyoshi: "Analysis and Control of Whole Body Dynamic Humanoid Motion -Experiments on a Roll-and-Rise Motion"Proceedings of IEEE International Conference on Intelligent Robots and Systems. 1382-1387 (2003)
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[Publications] Yoshiyuki Ohmura, Koji Terada, Yasuo Kuniyoshi: "Analysis and Control of Whole Body Dynamic Humanoid Motion -Experiments on a Roll-and-Rise Motion"Proceedings of International Conference on Humanoid Robotics. (CD-ROM). (2003)
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[Publications] Y.Kuniyoshi, Y.Ohmura, K.Terada, T.Yamamoto, A.Nagakubo: "Exploiting the Global Dynamics Structure of whole-Body Humanoid Motion -Getting the "Knack" of Roll-and-Rise Motion"Proceedings of International Symposium on Robotics Research. (CD-ROM). (2003)
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[Publications] 寺田耕志, 大村吉幸, 國吉康夫: "ヒューマノイドロボットのダイナミックな起き上がり運動の解析と制御"第21回日本ロボット学会学術講演会. (CD-ROM). (2003)
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[Publications] 大村吉幸, 寺田耕志, 國吉康夫: "ヒューマノイドの全身ダイナミック動作の実現"第21回日本ロボット学会学術講演会. (CD-ROM). (2003)
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[Publications] 大村吉幸, 國吉康夫: "ヒューマノイドの関節に内蔵されたトルクセンサを用いた関節フリー制御"第21回日本ロボット学会学術講演会. (CD-ROM). (2003)
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[Publications] 國吉康夫: "ロボットの知能-創発実体主義の挑戦-"計測と制御. 42・6. 497-503 (2003)
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[Publications] 國吉康夫: "AI事典 第2版 (「模倣」および「環境との相互作用」の項目)"共立出版. 4 (2003)