2004 Fiscal Year Annual Research Report
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15200027
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岡部 繁男 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60204012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 明宏 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80322080)
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Keywords | シナプス / グルタミン酸受容体 / シナプス後肥厚部 / シナプス可塑性 / 蛍光顕微鏡法 / 神経培養 |
Research Abstract |
シナプス後肥厚部(PSD)に存在する多様な分子群の動態を網羅的に解析する為に、まずPSDに存在する分子群をその分子構造と機能から7つの代表的なグループに分け、それぞれのグループを代表する分子について、GFP融合蛋白質の作製およびPSD動態に与える影響の解析を試みつつある。特に本年度はグルタミン酸受容体に直接結合する足場蛋白質群の属するPSD-95,Homer 1cの動態、受容体と間接的に結合する足場蛋白質群に属するGKAP, Shankの動態、細胞骨格蛋白質に属するactin, cortactinの動態を同じ培養海馬神経細胞を対象として比較検討した。四種類の足場蛋白質(PSD-95, GKAP, Shank, Homer 1c)の動態はそれぞれ異なっており、PSD-95が最も安定にシナプス後部に局在し、Homer 1cは最も速いターンオーバーを示した。細胞骨格蛋白質であるactin, cortactinの動態は足場蛋白質よりも更に急速であり、5分間以内にターンオーバーする分画が非常に大きい。一方で安定に存在するPSD-95を薬理学的にシナプスから除去しても他のPSD蛋白質の局在と動態は影響を受けず、またNMDA受容体や代謝型グルタミン酸受容体の一種であるmGluR5を欠失したマウスにおいてもPSD蛋白質の動態は大きな影響を受けなかった。一方で樹状突起スパインに集積する細胞骨格であるactin線維を薬理学的に除去した場合には、PSD-95以外の足場蛋白質がPSDから除去された。また神経活動依存的なPSD蛋白質の局在変化におけるactin線維の役割を検討した所、PSDに集積する反応(GKAP)およびPSDから除去される反応(Shank, Homer 1c)のどちらの反応もactin線維の動態を薬理学的にブロックする事で阻害される事が明らかとなった。以上の結果は複数のPSD蛋白質の安定化および神経活動依存的な局在変化においてactin細胞骨格が重要な役割を果たしている事を示している。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] The RNA-binding protein TLS is translocated to dendritic spines by mGluR5 activation and regulates spine morphology.
Author(s)
Fujii, R.^*, Okabe, S.^*, Urushido, T., Inoue, K., Tachibana, T., Nishikawa, T., Hick, G.G., T.Takumi
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Journal Title