2004 Fiscal Year Annual Research Report
開口分泌素過程の分子機構とその時空的制御機構に関する研究
Project/Area Number |
15200030
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
熊倉 鴻之助 上智大学, 理工学部, 教授 (70129790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹川 展幸 上智大学, 理工学部, 助教授 (20187107)
村山 典恵 上智大学, 理工学部, 助手 (90219949)
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Keywords | クロマフィン細胞 / 開口分泌 / 開口キネティクス / 顆粒運動 / 顆粒供給 / 時空的調節 / PKC |
Research Abstract |
1.クロマフィン細胞にPKCα、および-βをそれぞれ強制発現させて、開口イヴェントに及ぼす影響をアンペロメトリー法により解析した。PKCαを発現した細胞では、5分間の脱分極刺激によって惹起されるイヴェントの頻度が有意に増大しており、特に刺激1分後から4分間の第2相(持続相)で顕著であった。PKCαの不活性ミュータントを発現させた細胞には、このような影響は見られなかった。PKCβを強制発現させた細胞では、初期相(最初の1分間)と持続相全般に頻度の増大があったが、初期相でその影響が強かった。 2.TPA処理によるPKCの活性化は、シングル・イヴェントのrise timeとmiddle widthを増大させており、開口速度の調節が示唆された。このキネティクスの調節は、PKCαの発現で再現されたので、PKCαによる調節と考えられる。 3.アンペロメトリー法によってPC12細胞からの開口イヴェントを解析した。脱分極刺激によって生じるイヴェントのキネティクス解析から、開口イヴェントがクロマフィン細胞に比較して数倍速い速度で、短時間に終了することが示された。 4.PKCが分泌顆粒の供給を促進的に調節することを明らかにしていたので、顆粒動態の実時時間測定によって、形質膜直下に分布する顆粒数変動を測定し、PKC活性化の影響を調べた。形質膜直下の可視化顆粒は、細胞あたり平均356個あり、TPA処理10分後にはその数がおよそ15%増加した。PKC阻害薬はこの増加を打ち消したことから、PKCによる顆粒供給の促進は、実質的な顆粒数の変動を伴うことが明らかである。 5.分泌顆粒には低速、中速、高速の運動をする3つのポピュレーションが、およそ10%、30%、60&の割合に分布するが、脱分極刺激により60%の顆粒が運動を停止し、PC12細胞では、この顆粒の停止はCa^<2+>依存性の停止であることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)