2003 Fiscal Year Annual Research Report
再生医工学的手法を用いた生体外人工免疫システムの開発
Project/Area Number |
15200033
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大島 宣雄 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (50015971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 敬子 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (30251052)
三好 浩稔 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (70292547)
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Keywords | 造血幹細胞 / ストローマ細胞 / 共培養 / 三次元培養 / 人工骨髄 / シグナル分子 / 多孔質樹脂 / ティッシュ・エンジニアリング |
Research Abstract |
本研究では、生体外において造血幹細胞の分化や増幅を制御できるような培養系を確立することにより、人工免疫システムを開発することを目的とした。本年度は、ストローマ細胞を用いることで、造血幹細胞を効率的に増幅できるような三次元培養方法を構築することを目指した。これらの研究において、ストローマ細胞株やストローマ細胞の三次元凍結保存の影響について検討した。 まず予備的な検討として、多孔質樹脂を担体とする三次元培養系において、担体の形状や造血幹細胞の播種細胞数などの培養条件の最適化を試みた。その結果、立方体状に細切した樹脂に遠心操作を用いて細胞を播種することにより、従来の約半分の細胞でも従来と同程度の密度で培養できることがわかった。 次に、ストローマ細胞層が造血系細胞の増幅に及ぼす影響について検討したところ、ストローマ細胞層を形成しておくことにより造血前駆細胞を増幅することができた。さらに、ストローマ細胞層を形成するのに必要な培養期間(2週間)を短縮することによって、造血系細胞を効率的に増幅することを目的として、担体上に形成したストローマ細胞層を担体ごと三次元凍結保存しておき、解凍後に骨髄細胞などを再播種する実験を行った。その結果、ストローマ細胞を凍結保存していない場合と比較して、造血前駆細胞や造血幹細胞の増幅効率は同等以上であった。 ストローマ細胞にマウス胎仔由来のストローマ細胞株を用いたところ、ストローマ層の形成に要する期間が1週間のときに最も高い効率で造血幹細胞は増幅された。ストローマ細胞株を三次元凍結保存して培養に用いたところ、造血幹細胞の増幅効率は大幅に上昇し、2週間の培養で15倍以上に増幅することができた。 以上の結果から、多孔質樹脂を担体とする三次元培養法により、造血幹細胞を効率的に増幅できることがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 大島宣雄, 三好浩稔: "バイオ人工臓器の開発と再生医工学"化学工業. 54(1). 42-46 (2003)
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[Publications] 三好浩稔, 大島宣雄: "三次元培養細胞の再生医工学への応用"バイオサイエンスとインダストリー. 61(7). 477-478 (2003)