2004 Fiscal Year Annual Research Report
再生医工学的手法を用いた生体外人工免疫システムの開発
Project/Area Number |
15200033
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
三好 浩稔 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (70292547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 敬子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (30251052)
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Keywords | 造血細胞 / ストローマ細胞 / 胎子肝臓細胞 / 人工骨髄 / 分化・増殖 / 三次元培養 / 多孔質樹脂 / ティッシュ・エンジニアリング |
Research Abstract |
本研究では、生体外において造血幹細胞の分化や増幅を制御できるような培養系を確立することにより、人工免疫システムを開発することを目的とした。具体的には、多孔質樹脂を担体とする三次元培養系において、ストローマ細胞株を用いることによって造血幹細胞を効率的に分化・増幅できる培養方法を構築することを試みた。このとき、ストローマ細胞株の三次元凍結保存の影響についても検討した。 ストローマ細胞としてマウス胎仔血管内皮細胞由来のストローマ細胞株DAS 104-8を用い、マウス胎仔肝臓中の造血系細胞の増幅を行ったところ、造血前駆細胞は三次元培養系において効率的に増幅された(2週間で約5倍)。さらに、三次元培養担体上で増殖させたストローマ細胞株を担体ごと凍結保存しておいた固定化凍結保存細胞に、造血系細胞を再播種して同様の実験を行ったところ前駆細胞は15〜30倍に増幅され、通常の方法よりもはるかに高い増幅効率が得られた。別のストローマ細胞株(DAS 104-4)を用いた場合にも同様の傾向であった。この原因として、固定化凍結保存したストローマ細胞の増殖能は低下していたために造血前駆細胞が良好に増殖したことを、mitomycin C処理により増殖を停止させたストローマ細胞株を用いた実験から確認した。 DAS 104-8細胞株とinterleukin-7を併用することで造血系細胞のB細胞への分化を試みた実験では、担体中のB細胞と造血前駆細胞はともに減少した。この原因として、B細胞への分化が誘導されなかった可能性と、短期間に前駆細胞がB細胞に分化して担体から脱着した可能性の両方が考えられるため、今後これらの点を明らかにする必要がある。 以上の結果から、固定化凍結保存したストローマ細胞株を用いることによって、簡便かつ効率的に造血前駆細胞を増幅できる培養方法を確立することができた。
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Research Products
(2 results)