2003 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性セラミック微小球を用いた深部がん局所高温度治療法の開発
Project/Area Number |
15200041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平岡 真寛 京都大学, 医学研究科, 教授 (70173218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川下 将一 京都大学, 工学研究科, 助手 (70314234)
荒木 則雄 京都大学, 医学研究科, 助手 (20362486)
光森 通英 京都大学, 医学研究科, 講師 (10263089)
川嵜 一博 高周波熱錬株式会社, 技術本部技術部, 取締役部長
斎藤 靖弘 日本板硝子(株), 技術研究所関西センター, 主席研究員
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Keywords | 温熱治療 / 温熱微小球 / 肝腫瘍 / 磁性微粒子 / 深部加温 / Fe_3O_4 |
Research Abstract |
中部大学総合工学研究所において、上記治療法に適したセラミック微小球を検討した結果、粒径約50nmのマグネタイト(Fe_3O_4)を含む微小球が適していることが分かった。日本板硝子において、液相析出法の原料液である鉄のフッ化物イオン水溶液(Fe-HF水溶液)の組成および反応開始剤(H_3BO_4)の添加量を最適化することにより、直径20〜30μmの粒径の揃った水酸化鉄(β-FeOOH)微小球を作製した。また、Fe_3O_4への還元処理工程において、ガス流量の最適化のほか試料室の回転などの工夫により還元度の均一性を向上させ、Fe_3O_4のみからなる微小球の作製に成功した。京都大学工学研究科において、得られた微小球の構造および磁気的性質を調べた結果、同微小球は飽和磁化58.6emu・g^<-1>保磁力151Oeの強磁性を示し、300Oe,100kHzの交流磁場の下における同微小球の発熱量は54.6W・g^<-1>と見積もられた。京都大学医学研究科において、磁性微粒子を油性造影剤リピオドールに混和して、日本白色家兎への腎動脈からの注入試験を行い、組織学的に家兎腎内の細動脈内に磁性微粒子が停滞していることが観察された。また腎組織サンプルを溶解し、得られた溶液中のFeの濃度より、各サンプルに含まれる磁性微粒子の定量実験の実行可能性も検討済みである。高周波熱錬株式会社において、温熱治療用の高周波誘導式磁場発生装置の周波数、出力、誘導コイル形状の影響について磁場場分布シミュレーションを行い、日本板硝子社製のFe_3O_4微小球を加熱するのに必要とされる300Oeを、人体挿入を想定した加熱コイル中央で発生させるためには、周波数200kHzで200kW程度の高出力が必要なことが分かった。また、小型の加熱装置を用いて、粉体単独およびファントムに入れた同微粒子の加熱実験を行い、シミュレーション結果の妥当性を裏付けた。
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