2003 Fiscal Year Annual Research Report
高感度・高分解能・高速度の頭部用次世代PET装置を実現する集約的研究
Project/Area Number |
15200043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
村山 秀雄 放射線医学総合研究所, 医学物理部, 研究員 (50166310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽石 秀昭 千葉大学, フロンティアメディカル工学研究開発センター, 助教授 (20228521)
河合 秀幸 千葉大学, 理学部, 助教授 (60214590)
棚田 修二 放射線医学総合研究所, 研究員 (40116950)
小尾 高史 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40280995)
長谷川 智之 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (10276181)
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Keywords | PET / 核医学 / 画像診断装置 / シンチレーション検出器 / 同時計数 / 放射線検出器 / 画像再構成 / 医用画像 |
Research Abstract |
本研究においては、次世代PETに関する各要素技術の基礎研究を推進することが第一の目的である。本年度の主な研究成果を以下に示す。 (1)GSO:Ce結晶製造において、φ105mm×290mmの大型単結晶の育成に成功し量産を開始できる見通しを得た。この大型単結晶は蛍光出力の均一性が良好で、そのバラツキはφ90結晶と同様に標準偏差で14%であった。エネルギー分解能は結晶全体にわたって10%以下であり、その値、均一性ともに良好であった。また、DOI検出器を構成する反射材等、結晶ブロックの光学条件に関する研究を行い、シミュレーション結果と良い一致を得た。 (2)大面積光電子増倍管(52mm角256チャンネル)の量産化に成功したのみでなく、これに光学結合する16×16×4結晶素子すべてを光学的に接続して1つの検出器ブロックとした新たな工夫の結果、結晶の判別能力が2倍以上向上していることが実証された。また、すべてに表面状態が鏡面の結晶を用いることにより、結晶素子全体においてより均一なエネルギー分布も得られるようになった。さらに、各結晶素子の感度校正をする新たな方法を提案した。 (3)MOSFETによる高速低雑音前置増幅器の出力波形情報を直接ディジタル化し、CMOSプロセスを使用したディジタル信号処理において、高速のAD変換器を組み合わせてフロントエンド信号処理を行うチップを開発する計画である。このチップは、従来調整の必要だった波形弁別などの処理回路についてもディジタル回路として容易に実現することができる点に特徴がある。最初の試作チップでは、8チャンネルの入力回路に対応しており、個々の入力チャンネルにAPDを直接接続し、その信号を詳細に分析することを可能とした。チップの特性を評価したところ、AD変換部は、50MHzのクロックで動作し、積分非直線性は1.4LSB(Least Significant Bit)、微分非直線性は0.7LSBであった。 (4)リストモード・データを臨床に活用するため、動体補正に関する新しい提案を行った。
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Research Products
(14 results)
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[Publications] 山谷泰賀: "観測系の冗長性を考慮した代数的なDOI-PET画像再構成"JAMIT. 21(2). 166-169 (2003)
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[Publications] 吉田英治: "次世代PET装置におけるデータ収集システムの基礎的検討"Jpn.J.Med.Phys.. 23(1). 65-72 (2003)
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[Publications] 山田暁: "次世代PET用Depth of interation(DOI)検出器のシミュレーション(I)"Jpn.J.Med.Phys.. 23(1). 81-92 (2003)
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[Publications] Shimizu, S.: "Effect of Mg-, Zr-, and Ta-doping on scintillation properties of Gd2Si05 : Ce crystal."IEEE Trans.Nucl.Sci.. 50(4). 778-781 (2003)
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[Publications] Kasahara, T: "Improvement of the depth of interaction detector for PET on full energy pulse height uniformity."IEEE Trans.Nucl.Sci.. 50(5). 1439-1444 (2003)
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[Publications] Inadama, N.: "Performance of a PET detector with a 256ch Flat Panel PS-PMT."IEEE Trans.Nucl.Sci.. (in press). (2003)
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[Publications] 村山秀雄: "次世代PET用DOI検出器最適化のための基礎研究"医学物理. 23巻Sup.2. 189-192 (2003)
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[Publications] 稲玉直子: "次世代PET用DOI検出器の最適化"医学物理. 23巻Sup.2. 193-196 (2003)
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[Publications] 北村圭司: "大面積DOI検出器を用いた小動物用PET装置の計数率特性解析"医学物理. 23巻Sup.2. 199-201 (2003)
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[Publications] Yamaya, T: "DOI-PET image reconstruction with accurate system model reducing redundancy of imaging system."IEEE Trans.Nucl.Sci.. 50(5). 1404-1409 (2003)
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[Publications] 山谷泰賀: "観測系の冗長性を考慮した統計的DOI-PET画像再構成"医学物理. 23巻Sup.2. 202-205 (2003)
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[Publications] 長谷川智之: "次世代PET技術の独創的発展についての検討"医学物理. 23巻Sup.2. 206-207 (2003)
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[Publications] 吉田英治: "ガウス混合モデルを用いた3次元位置検出器の位置弁別"第22回JAMIT抄録集. CD-ROM. OP5-OP24 (2003)
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[Publications] 村田啓, 村山秀雄: "平成14年度次世代PET装置開発研究報告書"放射線医学総合研究所. (2003)