2004 Fiscal Year Annual Research Report
運動による骨格筋の筋線維分化、および筋代謝機構におよぼす遺伝子発現の検討
Project/Area Number |
15200048
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
武政 徹 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50236501)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
衣笠 隆 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40110481)
大野 秀樹 杏林大学, 医学部, 教授 (00133819)
勝村 俊仁 東京医科大学, 医学部, 教授 (80214352)
|
Keywords | カルシニューリン / NFAT / MEF2 / レジスタンストレーニング / 成長ホルモン / コルチゾール / 高地トレーニング / ヘモグロビン |
Research Abstract |
カルシニューリン(CaN)はカルシウム/カルモデュリンにより活性化される蛋白質脱リン酸化酵素である。そのターゲットとしては細胞質にあるNFAT等の転写制御因子が知られており、それらのリン酸基をはずすことによってCaNとコンプレックスを形成して核に移行し、MEF2やAP-1と同様に転写活性の調節を行う役割を担っている。これらの転写制御因子が関わる重要なターゲットは筋の遅筋化に関する蛋白質であり、ミオグロビンや遅筋タイプの収縮調節蛋白質の発現レベルを上げることが報告されている。今回、マウスのモデル実験系を用いて、実際にトレッドミルを用いた走運動により筋線維の遅筋化がおこることを確認し、CaNの関与についても検討した。また、共同筋切除による代償性過負荷の実験系を用いて、筋肥大を起こすようなプロセスについてもCaNが関与することを、阻害剤FK506を用いることによって実証したが、NFATやMEF等の量的変化は確認できず、まだ発見されていないカスケードの存在も示唆された。 ヒトに対して行った実験としては、筋肥大を目的としたトレーニングとして、最近注目されているハイパーベンチレーションを取り入れたレジスタンストレーニング(ECEトレーニング)について、筋内酸素動態とアナボリックホルモン(成長ホルモン)とカタボリックホルモン(コルチゾール)を指標として、通常のトレーニング、そして加圧トレーニングの影響を比較・検討した。その結果、ECEトレーニングは上記の二種類のトレーニングに比べてコルチゾールの分泌が少なく、筋の肥大に有効であるという結果が得られた。また、筋代謝能に影響を及ぼすことが予想される中程度の高地トレーニング(2700m〜3700m)を若年齢者に行わせ(1回4〜5時間、週6回、5週間)、運動前後で血液検査を行った。赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリットは有意に上昇したが、エリスロポイエチンについては有意に低下した。
|
Research Products
(4 results)