2005 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の自立を目指す地域生活システム構築への生活科学的研究-環境適応能に着目して
Project/Area Number |
15200052
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
宮野 道雄 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (00183640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 直樹 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (40159025)
曾根 良昭 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (60145802)
小西 洋太郎 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (70116812)
岡田 進一 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 助教授 (20291601)
要田 洋江 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 助教授 (90117987)
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Keywords | 高齢者 / 自立 / 地域生活 / 支援システム / 生活科学 / 健康 / 環境 / 福祉 |
Research Abstract |
本研究では全体を健康・環境・福祉の3グループに分け、それらの研究を統合することにより、高齢者の自立を実現するための地域生活支援システムのあり方を検討してきた。具体的には、まず健康系では高栄養価の食材として注目されているアマランス種子は常圧加熱でポップコーンのようにポップする性質があるが、過熱水蒸気によるポップが高品質化をもたらすことを明らかにした。すなわち、高温空気によるポップアマランスは褐変度が強く、またリジン含量の減少が大きかったことから、加熱中にアミノ酸と還元糖とのアミノカルボニル反応が顕著に起こっていることが示唆された。さらに、食品の老化制御効果と感染抵抗性に与える影響を、線虫を用いて検討する実験系を開発した。つぎに環境系では高齢者のための機器のユーザビリティ向上を目的に、触覚記号をその操作系に組み込むことを提案し、その有効な方法を記号の複雑さの定量化により検討した。その結果、用いた記号の特徴として正多角形、凹多角形は触覚により認知しにくいこと、見た目の複雑さと触覚上の複雑さには相違があることが明らかとなった。また、大阪市住まいのミュージアムにある江戸時代の町空間を実物大で再現した展示場において、本研究で開発した入館者自動追跡装置を用いて、高齢者の動線調査、高齢者が注目した生活財の調査、ヒアリング調査を実施した。最後に福祉系では、障害をもつ当事者の自立生活を支援する上で、日本特有の問題を明らかにするために、また、今後の研究課題を明確にするために、アメリカ社会のアジア系コミュニティの現状について調査した。さらに、高齢者の主体的適応力の明確化に取り組んだ結果、(1)直近のよりよき時代に戻ろうとする段階、(2)現実を直視し、「新しい変化」に沿って生きていくことを覚悟する段階、(3)社会との関係の中で折り合いをつけていく段階があることがわかった。
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Research Products
(6 results)