2006 Fiscal Year Annual Research Report
「超鏡」と国際TVを活用する遠隔交流学習支援システムの開発
Project/Area Number |
15200056
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前迫 孝憲 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (00114893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内海 成治 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (80283711)
小池 敏英 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60251568)
今井 亜湖 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (50367083)
森川 治 独立行政法人産業技術総合研究所, 主任研究員(研究職) (50358181)
松河 秀哉 大阪大学, 大学教育実践センター, 助手 (50379111)
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Keywords | 超鏡 / 交流学習 / DVB / 国際テレビ / 遠隔教育 / 遠隔対話 / インターネット / e-Learning |
Research Abstract |
本研究では、高い臨場感を有し、身体協調活動を促す遠隔映像対話システム「超鏡(HyperMirror)」および国際テレビによる交流学習の相手地域に関する学習を組み合わせたICT利用を前提とした国際交流学習のための支援システムの開発を目的とした。「超鏡」は、自己像の鏡画像に、遠隔地の相手像を重畳表示するもので、指差しや握手など相互の身体協調活動が可能となる。最終年度であった本年度は、米アラスカ大学やAFLAアラスカ言語習得学会年会場と大阪大学をつないだワークショップ、ニュージャージ州やルイジアナ州と日本の中・高等学校をインターネットで結んだ水質に関する科学実験や、タイと日本の小学校間を結んだ食育に関する交流学習を行った他、Wikiやmoodleによるサイト運用や国際テレビのMPEG4によるネット中継等の実験を実施、支援のあり方を検証した。また、実地研修を行う中で、教員研修サイトの改善を行った。さらに、画像圧縮/伸長に伴う遅延時間を減ずる無圧縮映像伝送や、画像重畳処理に伴う遅延時間を短縮するクロマキー/鏡像処理装置を開発、遅延をナノ秒単位に収めると共に高精細映像化を実現した。「超鏡」を用いるときの活動のしやすさや心理状態に及ぼす影響についても検討を行い、映像遅延については、自己像では100ミリ秒程度、相手像では160ミリ秒程度の遅れに気づき、また260ミリ秒程度の遅れで同室感が損なわれるといった知見を得ている。通常のテレビ会議装置と「超鏡」を利用して、遠隔地の相手の指示で積み木を行い比較したところ、テレビ会議装置では、伝えたいものの特徴を示す形容詞が多く使われるのに対し、「超鏡」では「これ」や「この」といった代名詞が増え、言葉が簡素になる傾向などが得られた。
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