2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15201049
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
大泰司 紀之 酪農学園大学, 環境システム学部, 教授 (50001532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 正嗣 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (90216440)
向井 宏 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (00013590)
小倉 剛 琉球大学, 農学部, 助手 (10284960)
高橋 芳幸 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (70167485)
内田 詮三 沖縄海洋生物飼育センター, 研究員
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Keywords | ジュゴン / 沖縄 / 奄美大島 / 海南島 / フィリピン / 御嶽 / 海草 / 新城島 |
Research Abstract |
本年度は、海草のバイオマス成分の季節変化に関する調査、南西諸島および海南島における海草の分布とジュゴン情報に関する調査、発信機による追跡試験、フィリピンのジュゴン高密度生息地における調査、および新城島におけるジュゴン頭骨奉納遺跡に関する調査を実施した。 沖縄島における定点藻場の海草の種構成と現存量の季節的推移については、嘉陽海岸の定点5箇所について昨年度に引き続き実施し、年周期の変動および藻場の衰退傾向についての所見を得ることができた。 海草分布については、ラジコンボートに水中ビデオカメラを装着し、それを無線操作する工夫を行い、良い結果を得ることができた。 水中電波発信機については、携帯電話回線で交信を行うテレメトリーシステムの改良を重ねた。 それらの方法をあわせて、フィリピンのジュゴン生息地で総合的な調査を行う準備を進め、現地の大学との共同調査を開始した。 ジュゴン沖縄個体群の復元については、調査を継続している奄美大島から西表島にかけての南西諸島、台湾、海南島、フィリピンに、今後新たに中国大陸海岸、ヴェトナムを加えて調査を行い、保全計画を完成するための見通しが得られた。 新城島下地の七門御嶽の奉納ジュゴンの骨については、地元および文化庁などとの打合せを進め、調査について見通しを得ることができた。これにより、発掘調査および御嶽内のジュゴン頭骨の詳細な調査を行い、さらに記念物化による保全について展望が開けた。小倉・川島は17th Australian Wildlife Society Conferenceで七門御嶽の奉納ジュゴン頭骨について発表し、高い関心が寄せられた。両共同研究者はMuseum of Tropical Queenslandにおいて、約200例のうち、記録のある70例のジュゴン頭骨について計測を行い、その結果を参考に、御嶽奉納骨の解析を進めている。
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