グローバル時代における「文明」間の衝突・融合・共存に関する総合的研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15201056
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
• Research Institution: International Research Center for Japanese Studies
• Principal Investigator: 園田 英弘 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (50027562)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 猪木 武徳 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (00107111) ; 川勝 平太 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (70097252) ; 鈴木 貞美 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (60179207) ; 劉 健輝 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (00321620) ; 稲賀 繁美 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (40203195)
• Keywords: 文明 / 戦争 / 宗教 / 経済 / グローバライゼーション

Research Abstract

ハーバード大学ライシャワー研究所にて「日本における近代文明の形成と西洋(The West and the Emergence of Modern Civilization in Japan)」(10月)、プリンストン大学東アジア研究所にて「日本の近代:幕末明治維新から第二次世界大戦まで(Modernity in the earlystage of Globalization : Japan and West<1870-1946>)」(10月)をテーマに国際研究集会を実施した。
ハーバード大学では、山折哲雄「文明の対話に向けて:宗教と戦争-非暴力への道と日本-」、川勝平太「日本における近代文明の形成と西洋-経済史家の視角-」の基調報告に対し、ヘレン・ハーデカー、阿部龍一、濱田陽、アンドリュー・ゴードン、杉原薫がコメンテイターを務め、ハーバード大学研究者との討論を行った。
プリンストン大学では園田英弘「西洋文明における普遍と森有礼」、マーティン・コルカット「岩倉使節団のグローバルな可能性」を基調報告として、稲賀繁美、笠谷和比古、デイビッド・ハウエル、鈴木貞美、リチャード・オカダが個別研究報告を行った。
また、コロンビア大学東アジア学部にてグローバリゼーションと近代文明を扱うセミナー園田英弘「From Earth to Globe : Technology, the United States, and 19-<th> Century Japan」を開催した。
これらの企画・実施を通じ、日本と北米東部地域における文明研究、日本研究の位相が孕む差異を具体的に明らかにするとともに、本プロジェクト遂行に、不可欠な論点(日本近代を扱う場合の固有性と普遍性の解釈を巡る諸課題、概念形成にともなう諸学の識差、「文明」研究の有効性等)を浮彫りにすることができた。
国内においては、研究集会「日本における近代文明-その精神的担い手たち」(8月長野県軽井沢町 山折、川勝、猪木武徳、川村邦光、栗原敦、高橋世織、井上章一、光田和伸、劉建輝、テモテ・カーン、アレキサンダー・ベネット他21名)、所内研究会(計8回)、文明セミナー(計6回)を開催した。
以上、全て音声・映像の記録を収録し、以降のプロジェクト進行、報告書作成、成果公刊の基礎資料とすべく、そのほとんどについて文字化を行い共通資料を作成した。

Research Products

• [Publications] 猪木武徳: "How to Improve Japan's Economic Policy Formulation"Journal of Japanese Trade and Industry. May/June. 17-26 (2003)
• [Publications] 小松和彦: "日本精神史の隠された水脈を探る"本の旅人. 9月号. 14-15 (2003)
• [Publications] 鈴木貞美: "宮沢賢治の生命感:大正生命主義における位置"国文学解釈と鑑賞. 9月号. 23-34 (2003)
• [Publications] 稲賀繁美: "修養の季節-漱石とその時代異聞"図書新聞. 2657号. 3 (2003)
• [Publications] アレキサンダー・ベネット: "私の見た日本の武道"月刊武道. 9月号. 14-31 (2003)
• [Publications] 園田英弘: "世界一周の誕生:グローバリズムの起源"文芸春秋. 221 (2003)
• [Publications] 川勝平太: "敵を作る文明和をなす文明"PHP研究所. 284 (2003)