2004 Fiscal Year Annual Research Report
多文化共生を目指す外国語教育の実証的研究:ICTによる国際学習コミュニティの創出
Project/Area Number |
15202013
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐々木 雅子 (島崎 雅子) 秋田大学, 教育文化学部, 助教授 (00292392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 律子 秋田大学, 教育文化学部, 助教授 (30200215)
幸野 稔 秋田大学, 名誉教授 (40042288)
舘山 えり奈 日本赤十字秋田短期大学, 看護学科, 講師 (80352532)
近藤 喜美夫 メディア教育開発センター, 研究開発部, 教授 (40249925)
浦野 弘 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (50185089)
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Keywords | 外国語教育 / 多文化共生 / ICT(高度情報通信技術) / 国際学習コミュニティ / 異文化間・国際理解教育 / 遠隔合同授業 / 国際情報交換 / オーストラリア:韓国:ハワイ:タイ |
Research Abstract |
1.アンケート調査について 「外国語学習が異文化に対する意識に及ぼす影響について」と「多文化共生に関する意識」に関する調査については、グリフィス大学との共同研究が最終段階に入り教師の意識と生徒の意識の比較検討が行われた。また、秋田大学と日赤秋田短大の新入生を対象としたアンケート調査を論文にまとめ、英語教育に対する高校生の意識の実態が明らかとなった。国際語または多文化共生のための意思疎通手段と強く意識して英語を学習している学生は少なかった。教科として、入試のために英語を学習している生徒が6割に至った。ハワイとタイとの遠隔合同授業の教育効果については、事前および事後アンケートを実施した。 2.多文化共生実現を目指す外国語教育について 実証的研究としては、1)秋田大学教育文化学部の学生と大韓民国新羅大学校の学生間の電子メールでの英語によるエッセイ交換を行うという授業実践研究、2)多文化共生をトピックとする英語音声表現教育の実践研究、3)グリフィス大学と秋田大学の遠隔合同授業参加者に対する1年3ヵ月後の追跡調査、4)オーストラリア語学留学を経験した日赤秋田短大看護学生の追跡調査が実施され、1)と2)は学会発表、論文の形で発表された。また、多文化共生を目指す言語教育政策に関する文献調査(主としてオーストラリア)にも取り組んだ。昨年度に引き続き、多文化共生を目指す外国語教育の実践報告と文献調査報告会議(学内)を定期的に開催した(6回(6/15,7/13,9/7,10/27,11/17,12/15))。 3.遠隔合同授業について 遠隔合同授業のハード面である通信に関しては、衛星通信の教育利用、コラボレーションの方法についてレビューを行い発表し、デジタルデバイドに関する議論を調査した。また、ISDN通信に加えIP通信によるテレビ会議システムでの遠隔合同授業の学内通信整備がほぼ完了した。ソフト面である内容は、"Issues to be discussed to make our society better"というテーマのもとでグループ・プレゼンテーションを行い、ハワイ大学、タイのチェンマイ大学と口頭での意見交換を実施した。ハワイ大学とはIP通信で4回(12/24,1/21,1/28,2/4)、チェンマイ大学とはメディア教育開発センターをHUB局としてSCS+IPの接続形態で4回(1/17,1/24,1/31,2/7)行い、合計8回の遠隔合同授業を実施した。動機付けは高いものの、35人というクラスサイズでは個々の学習者の英語力の育成は十分に行えない。異文化間理解を促進しながら英語力を育成するには、授業時間枠外での個別の活動のデザインと実施が必要である。また、今後は少人数ベースでの実践を取り入れながら、比較検討した上でよりよい方法を模索していきたい。
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