2003 Fiscal Year Annual Research Report
大規模武家文書群による中近世史料学の統合的研究―萩藩家老益田家文書を素材に―
Project/Area Number |
15202018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久留島 典子 東京大学, 史料編纂所, 教授 (70143534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鴨川 達夫 東京大学, 史料編纂所, 助教授 (60214566)
杉本 史子 東京大学, 史料編纂所, 助教授 (10187669)
宮崎 勝美 東京大学, 史料編纂所, 教授 (60143533)
森下 徹 山口大学, 教育学部, 助教授 (90263748)
田中 誠二 山口大学, 人文学部, 教授 (80116730)
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Keywords | 中世史 / 近世史 / 史料学 / 古文書学 / データベース / 藩政史料 / 絵図史料 / 家臣団研究 |
Research Abstract |
今年度は、研究素材となる、史料調書・目録データ作成、撮影・デジタル化の作業を重点的に進めた。その結果、9千点余におよぶ史料編纂所所蔵益田家文書(A群)については、近年進めていた概括的史料調書作成作業を終了させ、さらに詳細な史料学的情報抽出段階へと進める準備ができた。また既に撮影済みのマイクロフィルム15リール分のアンタル化を行い、活用しやすい研究素材を作成した。一方、史料編纂所寄託分6千点余(B群)については、文書・典籍のうち文書を中心とする全体のほぼ3割に関して、概括的史料調書・目録を作成し、それに基づいて撮影・焼付を行った。 さらに、目録情報から抽出した益田家文書の原本史料を精査する研究会を持ち、藩政史料・絵図史料について、それぞれの研究班を中心に、史料学的検討を行った。その結果、藩政史料としての益田家文書の特徴と今後の分析視点が確認されたほか、絵図史料については、内容不明絵図の内容分析、断簡化した絵図の復元作業等で、成果を得た。 並行して、関係する史料群調査をも進めたが、まず、益田家文書と最も密接な関係を有する膨大な史料群、山口県文書館毛利家文庫および同館所蔵・寄託文書の調査・撮影を開始し、藩政史料・絵図史料・中世益田氏関係史料を収集した。さらに陪臣家史料研究班を中心に、須佐町歴史民俗資料館所蔵の益田家陪臣家文書等の調査・撮影を行い、益田家の家臣団構成および地方支配研究のための基礎史料を収集した。また、中世史料研究班は、中世益田氏関係人名データベース作成に着手したほか、島根県江津市域で中世益田氏関係の史料調査を行い、中世史料群構造研究のための基礎データを収集整備した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 久留島典子: "土豪と村落-蒲生郡橋本左右神社文書に見る林村村田氏"滋賀県立琵琶湖博物館研究報告書. 21号. 37-47 (2004)
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[Publications] 杉本史子: "歌舞伎作者並木正三と「三千世界商往来記」"「8-17世紀の東アジア世界における人・物・情報の交流」報告書. 207-222 (2004)
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[Publications] 鴨川達夫: "武田信玄の自筆文書をめぐって"山梨県史研究. 12号. 14-32 (2004)
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[Publications] 及川 亘: "偽文書と中世史研究"久野俊彦編『偽文書学入門』柏書房. 42-64 (2004)
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[Publications] 金行信輔: "幕末期江戸における長州藩邸の変容"日本建築学会中国支部研究報告集. 26号. 973-976 (2003)
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[Publications] 森下 徹: "近世瀬戸内海地域の労働社会"渓水社. 330 (2004)