2005 Fiscal Year Annual Research Report
現代の宮座の総合的調査研究および宮座情報データベースの構築
Project/Area Number |
15202025
|
Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
上野 和男 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (80062008)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 透 仏教大学, 文学部, 教授 (70200475)
薗部 寿樹 山形県立米沢女子短期大学, 教授 (10202144)
松尾 恒一 国立歴史民俗博物館, 研究部, 助教授 (50286671)
安室 知 国立歴史民俗博物館, 研究部, 助教授 (60220159)
青木 隆浩 国立歴史民俗博物館, 研究部, 助手 (70353373)
|
Keywords | 宮座 / 神社祭祀 / 当屋 / 当屋制 / 村落社会 / 神主 / 村座 / 株座 |
Research Abstract |
1.研究会は今年度5回実施した。報告の中心は、これまで3年間に研究分担者・研究協力者が現地調査を実施した各地の宮座であるが、この研究の主眼であった近畿地方以外の宮座の報告は中心となった。これまでの報告から、宮座の構造は、近畿地方の宮座、兵庫県以西の中国地方、九州地方の宮座、および関東・東北地方の宮座に区分できる見通しが得られたのは大きな成果であった。近畿地方の宮座と比較して、近畿地方以西の宮座は中世荘園「名」を基盤とし、家を単位とする当屋制ではなくて、「名」を単位とする当屋制をもつことが大きな特徴である。最後の研究会では、近畿地方以外の宮座についての広範な調査を踏まえて、現段階における宮座の概念について総括的な検討を行った。 2.今年度は、東湖八幡神社(秋田県潟上市)、上鴨川住吉神社(兵庫県)の宮座について共同の現地調査を実施することができた。とくに、東湖八幡神社の統人行事は、当屋制にもとづいて祭祀が行われており、東北地方における宮座を考察する上で重要な事例資料を収集することができた。このほかにも、久井稲生神社の御当行事(広島県)、若狭宇波西神社の宮座(福井県)、滋賀県米原市志賀谷のオコナイ、岡山県新見市の倉嶋神社の宮座、山口県防府市の宮座等の調査も実施した。 3.3年間にわたって作成をすすめてきた「宮座研究データベース」を完成させ、国立歴史民俗博物館の公開データベースのひとつとして公開する準備を整えた。
|