2003 Fiscal Year Annual Research Report
無償労働に関するSNAサテライト勘定の構築と当該勘定へのCGE分析の適用
Project/Area Number |
15203010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
有吉 範敏 熊本大学, 法学部, 教授 (10176000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市岡 修 専修大学, 経済学部, 教授 (20117691)
斎藤 悦子 岐阜経済大学, 経済学部, 助教授 (90298414)
作間 逸雄 専修大学, 経済学部, 教授 (50114947)
牧野 好洋 静岡産業大学, 経営学部, 助教授 (00288424)
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Keywords | 無償労働 / 家事労働 / SNAサテライト勘定 / SAM / SAM乗数モデル / CGEモデル / 地域通貨 / ジェンダー |
Research Abstract |
本年度は,研究分担者の作間が中心となり,「無償労働の範囲に関する新たな国際標準の構築」を主要課題として理論的研究に取り組んだ。無償労働の理論的研究については、すでに作間による重要な研究成果が数編ある。そこで,これらを出発点として,欧米の各種事例に関する比較検討と更なる理論的考察を行うことによって,無償労働の範囲に関する国際標準の原案を作成するとともに,無償労働評価の基礎データとなるわが国の生活時間調査統計の改善案を作成した。 その際,有吉は,分担課題として,SNA統計と整合的な無償労働サテライト勘定の基本フレームワーク案を構築するとともに,無償労働サテライト勘定の観点から,SNAと整合的な無償労働の範囲の考察と基礎データ改善案の検討を行った。また,斎藤は,分担課題として国内3箇所で無償労働を交換対象とする地域通貨の調査を行い,次年度以降における実証分析のための準備を行うとともに,地域調査とジェンダーの観点から無償労働の範囲に関する考察を行った。なお,今年度調査を行った国内3箇所の地域通貨活動は,いずれも次年度に予定しているオーストラリアの地域通貨と密接な関連をもっており,次年度の海外調査のための予備的研究も併せて行うことが出来た。一方,市岡と牧野は,分担課題として育児・介護関連の福祉政策が市場経済や有償・無償の各種労働に与える影響などを分析するSAM乗数モデルやCGEモデルの構築に取り組み,その第一次案を作成するとともに,政策分析モデル構築の観点から,無償労働の範囲や基礎データの改善案について検討を行った。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 斎藤悦子, 天野晴子, 松葉口玲子: "地域通貨によるアンペイド・ワーク評価と時間の関係性-東京都世田谷区在住雇用労働者夫妻の生活時間調査から"生活経済学研究. 19巻(掲載決定). (2004)
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[Publications] 牧野好洋: "非営利組織における雇用について"国民経済計算の非営利機関サテライト勘定作成に関する調査研究:平成15年度報告書(財団法人 統計研究会). 平成15年度報告書(掲載決定). (2004)
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[Publications] 石田孝造, 牧野好洋: "数量調整モデルと価格調整モデルによる比較分析-日本経済への円安の影響-"経済学季報(立正大学経済学会). 第53巻第3・4号(掲載決定). (2004)
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[Publications] 有吉範敏: "環境経済勘定のフレームワークの推移について"SEEAの改訂等に伴う環境経済勘定の再構築に関する研究:平成15年度内閣府委託調査報告書(財団法人 日本総合研究所). 平成15年度報告書(掲載決定). (2004)
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[Publications] 作間逸雄: "NPIサテライト勘定をめぐる覚え書き"国民経済計算の非営利機関サテライト勘定作成に関する調査研究:平成15年度報告書(財団法人 統計研究会). 平成15年度報告書(掲載決定). (2004)
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[Publications] 市岡 修: "Leontief環境経済に関するStoneとMeadeの考察"専修経済学論集. 第38巻第2号. 1-29 (2004)
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[Publications] 作間逸雄(編): "SNAがわかる経済統計学"有斐閣. 352 (2003)