2005 Fiscal Year Annual Research Report
無償労働に関するSNAサテライト勘定の構築と当該勘定へのCGE分析の適用
Project/Area Number |
15203010
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
有吉 範敏 長崎大学, 環境科学部, 教授 (10176000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
作間 逸雄 専修大学, 経済学部, 教授 (50114947)
斎藤 悦子 岐阜経済大学, 経済学部, 助教授 (90298414)
市岡 修 専修大学, 経済学部, 教授 (20117691)
牧野 好洋 静岡産業大学, 経営学部, 助教授 (00288424)
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Keywords | 無償労働 / 地域通貨 / SNA / SNAサテライト勘定 / SAM / 非営利団体(NPI) / CGEモデル / ボランティア |
Research Abstract |
第1に、地域通貨による無償労働評価について、(1)無償労働に与える影響、(2)交換サービス内容、(3)流通量、(4)ジェンダー平等への貢献の解明を目的に、豪州マレーニーの地域通貨(LETS)を取り上げ、調査を実施した。調査結果から、(1)地域通貨は日常生活で広い使用範囲と高い頻度を持ち現金収入を補完し、(2)地域通貨活動を通じて無償労働の評価が行われ、(3)地域通貨参加者は経済力を獲得し、(4)地域通貨はエンパワーメントの道具としての役割を果たし、かつ、(5)地域通貨は女性と男性の相互の尊重や有償労働と無償労働の調和を創造していた、という5つの点が見出された。 第2に、内閣府経済社会総合研究所の協力の下に、各種データに期首・期末のストックも合わせて記録する勘定方式を用いることによって日本版SAMを完成させ、これを無償労働SAMの枠組みとして無償労働関連データの取り込みを行っている。 第3に、無償労働SAMに基づくモデル分析として、無償労働と関係の深い非営利団体(NPI)を対象としたSNAサテライト勘定のあり方を国連の文献を通じて精査するとともに、その構築を図った。そして、同部門が抱える課題やボランティアの現状などを整理するとともに、NPIにおける有償労働と無償労働の代替関係やNPIの生産物と産業の生産物の代替関係を記述したSAMベースのCGEモデルを構築し、一国経済におけるNPIの位置づけを考察した。併せて、地域分析が所得の移出・移入構造に依存している欠陥を補うために、既存の統計を用いた地域産業連関表のSAMへの拡張に取り組んだ。
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Research Products
(18 results)