2004 Fiscal Year Annual Research Report
樹木画テストの発達的指標の普遍的因子と文化による固有因子の抽出への試み
Project/Area Number |
15203028
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Research Institution | Kyoto Bunkyo University |
Principal Investigator |
濱野 清志 京都文教大学, 人間学部, 教授 (10218547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉岡 津岐子 梅花女子大学, 現代人間学部, 教授 (20259401)
江口 一久 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 教授 (90045261)
小野 芳彦 北海道大学, 文学部, 教授 (20126022)
仁木 一栄 順正短期大学, 保健科, 講師 (50269990)
杉岡 信行 財)東方研究会, 東方学院, 講師
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Keywords | 樹木画 / 発達的指標 / 多文化比較 / 自然植生 / カメルーン / インドネシア・バリ州 / 樹木の言語イメージ / SD法 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度のカメルーン・マロワ市、に引続き、バングラデシュ、中国・麗江、インドネシア・バリ州で樹木画のデータを収集してきた。また、バリ州では風景構成法も施行した。 樹木画の分析方法; 1)これまで、発達的指標とされてきた形態の分析についての比較検討 2)それぞれの文化に特徴的であると思われる特徴についての比較検討 切られた枝、樹皮の強調、根の強調、大地線 3)使用空間の分析 結果; インドネシア・バリ州では、樹木画では、一般的な発達指標の発達的な変化のいくつかは、バリ州全体のデータの中にも認められる。また、バリ固有の描画の特徴が認められる、たとえば、切られた枝の頻度が高く、また、紙面左端の使用が多い、同じバリ州内でも、異なった地域による描画表現の違いも比較的明瞭にあることが認められた。風景構成法では、バリ州独自の描画がさらに明瞭に認められる。樹木画と風景構成法の併用は、そこに光の部分と影の部分が分かれて描かれており、併用することで初めて全体的な心の表現が捉えられるという意義があるように思われる。 中国・麗江では、樹皮の細かな表現が、特徴的である。バングラデシュでは、稲が木として描かれるなどの特徴が見られた。また、カメルーン・マロワでは、根と大地に特徴があるなど多くの地域的特徴がみられた。また、樹種についても検討している。 木、森、草、火、地、水、人、天、風の9つの言葉を形容詞対を用いた質問紙によって、評価させ、分析した。言語は、すべて教育言語とした。具体的な形容詞対は、日本語で美醜・強弱・遅速・快不快・軽重・寒暖・悲喜・堅脆・鋭鈍・親疎に該当するものである。相対的な位置関係を求めるためならば、主成分分析を採用して分散の大きい軸を中心に見ていく必要がある。結果は現在、カメルーンとバリ州についてのみ出ているが、意味空間の中で、木と火と地の作る三角形の平面状に他の語が含まれる形となっていた。
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Research Products
(6 results)