2003 Fiscal Year Annual Research Report
スローン・デヂタル・スカイサーヴェイ-探査観測の完結と銀河天文学及び宇宙論の研究
Project/Area Number |
15204011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福来 正孝 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (40100820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 靖 東京大学, 大學院・理学系研究科, 助教授 (20206569)
岡村 定矩 東京大学, 大學院・理学系研究科, 教授 (20114423)
安田 直樹 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (80333277)
市川 隆 東北大學, 大學院・理学研究科, 助教授 (80212992)
土居 守 東京大学, 大學院・理学系研究科, 助教授 (00242090)
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Keywords | SDSS / 宇宙定數 / 銀河のパワースペクトル / 銀河形態分類 / 楕円銀河 / 星生成 / 重力レンズ / 測光較正 |
Research Abstract |
2003年度にはSDSSの第一回のデータ公開がなされた。此データベースは2,200平方度に亘り約1,000万個の銀河と17,000個の準星を含み、内約20万個の銀河に關しては赤方偏移及び分光データが與へられてゐる。準星の型録は別論文として公表された。SDSSデータを直接用ひた論文の内、當該科學研究費共同研究者の關與するものは39編であり内訳は公表データの記述1編、技術的論文2編、銀河の大規模構造5編、銀河天文学19編、準星天文學4編、銀河團4編、重力レンズ3編及我々の銀河の構造研究1編となってゐる。此内特記すべき成果は銀河分布の三次元パワースペクトルを高い精度で決定した事、及パワースペクトルをWMAPに據る宇宙背景輻射(CMB)の温度場のゆらぎ観測と結付ける事に據り宇宙の発展を記述する定數をH_o=70±4km/s、Ω_m=0.30±0.04、Ω_λ=0.70±0.04、Ω_b=0.023±0.001と決定した事である。SDSSパワースペクトルの利用に據りWMAP解析の定數決定の不定性は著しく減少した。此他銀河天文學の研究に大きな努力が払はれたが特に眼視檢査に據る銀河の形態分類と形態分類に據り作成された銀河型録を用ひた天體物理學的研究は日本人チームが主導的に行った代表的研究である。茲では今迄星生成活動性を失ってゐると考へられて来た楕円銀河標本中に活動性を有するものを見出した事のみを代表例として記しておく。重力レンズの探索も日本側チームが主導的に研究して来た分野であり数個の新たなレンズが見出されたが、就中二つの影像の間隔が14.6秒離れたものは現在迄に知られてゐるものより約2.5倍以上大きく宇宙「最強の」重力レンズと云へる。亦我々のグループはSDSS装置とデータ解析ソフトウエア構築に當初より責任を持って来たが、現段階までに得られた銀河計數を用ひて測光精度のゆらぎが2%以内(設計値)である事を確認した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Abazajian et al.: "The first data release of the Sloan Digital Sky Survey"Astronomical Journal. 126. 2081-2086 (2003)
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[Publications] M.Tegmark et al.: "Cosmological parameters from SDSS and WMAP"Physical Review D. (in press). (2004)
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[Publications] N.Inada et al.: "A gravitationally lensed quasar with quadruple images separated by 14.62 arcseconds"Nature. 426. 810-812 (2003)
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[Publications] M.Fukugita et al.: "Actively star-forming elliptical galaxies at low redshifts in the Sloan Digital Sky Survey"Astrophysical Journal (Letters). 601. L127-L130 (2004)
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[Publications] M.Fukugita, N.Yasuda et al.: "Spatial variations of galaxy number counts in the SDSS I. : Extinction, large-scale structure and photometric homogeneity"Astronomical Journal. (in press). (2004)
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[Publications] M.Fukugita, O.Nakamura et al.: "A Search for galaxy clustering around a quasar pair at z=4.25 found in the Sloan Digital Sky Survey"Astrophysical Journal (Letters). 603. L65-L68 (2004)