2004 Fiscal Year Annual Research Report
スローン・デヂタル・スカイサーヴェイ-探査観測の完結と銀河天文学及び宇宙論の研究
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15204011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福来 正孝 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (40100820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 直樹 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (80333277)
岡村 定矩 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20114423)
須藤 靖 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (20206569)
土居 守 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (00242090)
市川 隆 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80212992)
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Keywords | Sloan Digital Sky Survey / SDSS型録 / 銀河のパワースペクトル / 宇宙論パラメター / CDM模型 / 銀河の光度重元素相関 / 宇宙エネルギー目録 |
Research Abstract |
SDSSの運用は順調に進行し4年目の観測を終えた。本年1月末時点に於いて、撮像は予定領域の100%、分光は66%となっている。2003年6月迄に取得されたデータは一次解析較正を終え型録化されて一般利用者に公開されており(第3次データ公開、2005年3月)、5282平方度の撮像に拠る1億4000万個の天体及53万個の明い天体のスペクトルを含んでいる。本年度の結果の内最も重要と思われるものは銀河群集性のパワースペクトルが決定された事と、其結果をWMAP観測データと結付けることに拠り宇宙論パラメターの決定が為された事である。銀河のパワースペクトルは宇宙背景輻射より導かれた高赤方偏移のものと完全に重なり此事実は現在知られる限りに於いてCDM模型に拠ってのみ理解される。更にパワースペクトルの波数依存性はCDM模型に基づく構造形成理論の予言と精度良く一致し、此事実より導かれた宇宙パラメターはΩ_m=0.28±0.04、Ω_Λ=0.72±0.04、H_0=74±4km/s・Mpcである。この他にもSDSSデータ解析より得られた結果は数多い。若干の例を挙げれば、Hα輝線光度函数と体積当りの光度密度、銀河光度と重元素量の相関、Lyman-α雲の相関函数、高赤方偏移準星対周辺環境の探索(すばる望遠鏡による追跡観測)等がある。亦SDSSデータの品質管理に関する研究は断続して行われており人員を数回に亘って観測施設に派遣し入射光束に対する観測装置の測定が行われた。先に述べた宇宙論パラメターの決定は所有宇宙論的研究に基礎を与えるものであるが、此他にもSDSS観測で明かにされた物理量は多々存在する。我々は此等を含め現在迄に利用可能な観測結果を総合し宇宙に種々な形態で存在するエネルギーの目録化(宇宙エネルギー目録)を試みた。観測に基づき評価された各項目間の無撞着性は宇宙の現状態と発展過程に関する我々の理解の程度の指標となるであろう。
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Research Products
(6 results)