2005 Fiscal Year Annual Research Report
スローン・デヂタル・スカイサーヴェイ-探査観測の完結と銀河天文学及び宇宙論の研究
Project/Area Number |
15204011
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福来 正孝 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (40100820)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 直樹 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (80333277)
岡村 定矩 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (20114423)
須藤 靖 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (20206569)
土居 守 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (00242090)
市川 隆 東北大学, 理学部, 助教授 (80212992)
|
Keywords | SDSS / 銀河觀測(測光掃天、分光觀測) / 天髄型録(銀河、準星) / 重粒子音波振動 / 銀河の大規模構造 / 高赤方偏移準星 / 準星光度函数 / 銀河形態分類 |
Research Abstract |
SDSSは2005年6月の末を以て當初の觀測計画を終へた。撮像は予定領域の115%、分光は76%である。分光の達成率が稍低いのは2004年2005年冬春期の天候不良の為である。SDSSでは欠損領域を埋める事を第一の目的とし、當計画遂行中其有効性が確認された二つの新プロヂェクト(1)銀河内の星の分布の觀測に據る銀河形状の研究、(2)超新星の探査を加へてSDSS-IIとして三年間の觀測延長を行ふ事を決定し、その觀測は2005年7月より既に始まっている。現在迄に一般に公開されているデータは6670平方度の天域に存在する1億8000万個の天體(約半数が銀河)及85万銀河のスペクトルである。サイエンスとしての成果の例は以下の通り。 (1)銀河の大規模構造を支配する相關凾数中に宇宙初期の重粒子プラズマによる音波振動のパターンを見出した事。此様な音波はマイクロ波宇宙背景輻射の攝動と見られる振動を支配する事はよく知られているが銀河分布に於ける同一の振動パターンの發見は宇宙背景輻射と銀河構造の關聯性を明確に示した。此に據って宇宙の幾何曲率の決定精度が向上し平坦性よりのずれは1%以内と決定された。 (2)準星の研究。4200平方度に見出された44000ヶの準星の型録を公開した。特にz>5.7の高赤方偏移準星の数は19ヶとなった。此等の高赤方偏移準星は活動銀河核形成の研究に資されるのみならず、銀河形成期の宇宙の銀河間物質の状態を知るのに用ひられ宇宙の再電離がz=6附近で起る事が示されている。更に44000ヶの準星の大規模サンプルより準星研究にとって不可缺の量である光度函数が導かれた。 (3)近傍銀河の形態分類とその型録の公表、眼視検査に據る銀河形態の分類は四年越しの仕事であり今迄に幾個かの論文が書かれてきたが、その基礎となった型録公開の論文が纏上げられた。
|
Research Products
(6 results)