2005 Fiscal Year Annual Research Report
中性子過剰なp-sd核における陽子、中性子物質の変形度の決定
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15204017
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Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
櫻井 博儀 独立行政法人理化学研究所, 櫻井RI物理研究室, 主任研究員 (70251395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 弘典 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (30334246)
青井 考 独立行政法人理化学研究所, 本林重イオン核物理研究室, 研究員 (00311647)
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Keywords | 不安定核ビーム / 中性子過剰核 / γ線核分光 / リコイル・シャドウ法 / 電気四重極遷移確率 / 陽子非弾性散乱 / リコイル・ディスタンス法 |
Research Abstract |
今年度の主な成果は以下の2点にまとめられる。 1.リコイル・シャドゥ法の高度化による^<15,17>B,^<16,17,18>Cの励起状態の寿命測定 昨年度に引き続き、リコイル・シャドウ法の高度化によって取得した、中性子過剰な^<15,17>B,^<16,17,18>C同位体についてのデータを解析した。解析の結果、^<17>Bの新たな励起状態を発見し、^<17>Bは、その脱励起の様子から^<15>Bとは全く異なる核構造をもっていることがわかった。軽い中性子過剰核の構造を理解する上で極めて重要な結果である。また、^<17>Cの励起状態の寿命測定から、二つの励起状態と基底状態を結ぶ遷移がともにM1遷移であることが判明し、その一つは理論予想に比べ非常に小さいこともわかった。s1/2の弱束縛性に起因するハロー構造によるものと解釈している。これらの成果を投稿論文として準備している。 2.陽子非弾性散乱を用いた^<16>Cの中性子物質の集団性の研究 ^<16>Cの異常なB(E2)を受け、集団性に対する中性子物質の寄与を陽子非弾性散乱の断面積測定から導くことを試みた。この結果、中性子物質の寄与は、陽子物質に比べ7倍も大きいことがわかった。さらに従来得られてきたデータと比較しても、^<16>Cの異常性は際立っている。この成果を論文としてまとめ、Physical Review Cに掲載される予定である。 3.リコイル・ディスタンス法の開発による^<32>Mgの第一励起状態の寿命測定 本年度はさらに新しい手法としてリコイル・ディスタンス法を開発し、これを^<32>Mgの第一励起状態に適応した。現在、解析中である。
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Research Products
(6 results)