2006 Fiscal Year Annual Research Report
プレート境界におけるアスペリティのマッピングとすべりの時空間分布の推定
Project/Area Number |
15204037
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長谷川 昭 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (40004460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 徳仁 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (30004477)
松澤 暢 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (20190449)
三浦 哲 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (70181849)
岡田 知己 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (30281968)
矢部 康男 東北大学, 大学院理学研究科, 助手 (30292197)
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Keywords | アスペリティ / プレート境界 / 準静的すべり / プレート境界地震 / 相似地震 / プレート間カップリング / GPS / 摩擦特性 |
Research Abstract |
震源過程の解析では,2005年宮城県沖地震(M7.2)の破壊域は,前回の1978年宮城県沖地震(M7.4)の破壊域の南東部分と重なることを明らかにし,北側と西側の領域が割れ残っていることを示した.さらに,1930年代の宮城県沖地震の余震の再解析を行い,前々回の宮城県沖地震では3つのアスペリティが別々に滑った可能性があることを示した. GPS解析では,2005年宮城県沖地震後に破壊域の南側に拡がる余効すべりを検出した.また,最大余震後には,割れ残っている北側のアスペリティのすぐ東隣でゆっくりすべりが生じたことが明らかになった.GPS解析ではさらに,2003年十勝沖地震後の余効すべりの時間発展を推定し,本震の破壊域の外側に拡がる余効すべりの分布の詳細を明らかにした.また,相似地震解析から推定された余効すべりの分布と比較すると,すべり量の値は約2倍程度となるものの,分布のパターンはほぼ一致することが確かめられた. シミュレーション解析では,アスペリティの破壊に伴う周辺域での余効すべりの伝播状況を,系統的に調べ,観測された余効すべりの伝播速度と比較した.その結果,陸に近いプレート境界深部で観測された余効すべりの伝播速度を説明するためには,間隙圧が極めて大きくなければならないことを明らかにした.一方,海溝に近いプレート境界浅部で観測される余効すべりの伝播速度を説明するためには,上記のような大きな間隙圧を必要としない.これらは,脱水反応によりプレート境界に供給される水の量あるいはプレート境界域の透水係数の深さ変化を示唆している.
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