2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15205006
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩澤 伸治 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40168563)
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Keywords | 金属含有アゾメチンイリド / 三環性インドール / [5+2]付加環化反応 / ビシクロ[3.3.0]オクタン / ビシクロ[5.3.0]デカン / 塩化白金 / 臭化金 / タングステンカルボニル |
Research Abstract |
本研究では、各種の遷移金属錯体を触媒量用いて適切なデザインを行った基質との反応を行い、金属部位を有する多機能性反応活性種を創出することにより、有機反応活性種としての反応と金属錯体としての反応を連続的に行うことのできる反応系を実現し、従来その合成に多段階を必要とした有用物質を一挙にかつ無駄なく合成する新手法の開発を行うことを目的とする。 本年度はまず、各種の求電子性を示す遷移金属錯体を用いてo-アルキニルフェニルイミン誘導体からの金属含有アゾメチンイリドの生成とその電子豊富アルケンとの反応について検討を行った。その結果、本反応には、塩化白金(II)、臭化金(III)が特に高い活性を示し、わずか3mol%の錯体を用いるだけで、目的とする三環性インドールを得ることができた。 さらにアルキン上の置換基としてアルケニル基を持つ基質を用いてタングステン錯体との反応の検討を行ったところ、これまでほとんど例のないタングステン含有ビニルアゾメチンイリド種の生成、ならびに電子豊富アルケンとの[5+2]付加環化反応が進行し、7員環を含む三環性インドールが良好な収率で得られることを見出した。 また、アルキン部位を有するジエノールシリルエーテルに対し、光照射条件下わずか0.5mol%量のレニウムカルボニル錯体を作用させるだけで、ビシクロ[3.3.0]オクタン骨格を有する化合物が高収率で得られることを見いだした。本反応はアセチレン化合物の同一炭素上で求核剤と求電子剤が反応し、一挙に二つの炭素-炭素結合生成が行える点で、従来例のない形式の反応を実現したものである。さらに、アルキン末端にアルケニル基の置換した基質を用いて反応の検討を行ったところ、タングステンカルボニル錯体を用いると速やかに反応が進行し、ビシクロ[5.3.0]デカン骨格を有する二環性化合物が得られることを見いだした。
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Research Products
(6 results)