2006 Fiscal Year Annual Research Report
複合機能有機材料(超伝導・スピン液体・新規相転移等)の開発
Project/Area Number |
15205019
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齋藤 軍治 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (40132724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢持 秀起 京都大学, 低温物質科学研究センター, 教授 (20182660)
前里 光彦 京都大学, 大学院理学研究科, 助手 (60324604)
大塚 晃弘 京都大学, 低温物質科学研究センター, 助手 (90233171)
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Keywords | 分子性超伝導体 / 一軸性歪み / 金属-絶縁体転移 / 光誘起相転移 / イオン液体 / 核酸塩基導電体 / 双性化合物 / フラーレン |
Research Abstract |
新規π-d複合系(DIETSe)_2FeCl_4に着目し、擬一次元電子系の金属不安定性と局在磁性イオンとの相互作用による特異な磁気輸送特性について調べた。微小単結晶の磁気トルク測定により、Feスピンのスピンフロップ現象の観測に成功した。また、磁気抵抗がスピンフロップ磁場の直上で急激に変化する現象を見出し、その変化率が12kbarの静水圧下では約130%にも達する事を明らかにした。 核酸塩基の一つであるシトシンとTCNQ誘導体との電荷移動錯体形成について検討した。反応生成物について調べた結果、錯体形成には溶媒として用いたメタノールとの反応とシトシンのプロトン化が重要なプロセスであることを明らかにした。 ビニル位水素を99%重水素化した(EDO-TTF)_2X(X=PF_6,AsF_6)が、軽水素体よりも約3K高い金属-絶縁体転移温度を示す事を見いだした。ビニル位水素のひとつをメチル基で置換したEDO-TTF誘導体を用いて、低温まで金属状態を保つ錯体を得た。チオピラン環とジチオール環を併せ持つTP-EDOTから、3次元的に配列した局在スピンが2次元的なスピン間相互作用を示す錯体を得た。 様々なアルキル鎖を持つ1-アルキル-3-メチルイミダゾリウムの溶融塩を作製し、アルキル鎖長とともにイオン会合度は増大し、伝導性が低下することを明らかにした。また、ピロリジニウムや2,2'-ビイミダゾリウムの塩では、伝導性は低下するものの弱いプロトン供与能に起因してイオン会合度が抑制された。 イオン性フラーレン錯体中に、C_<60>アニオンラジカル同士が2本の単結合で結合したダイマーが存在することを初めて確認した。また、磁気的測定から、このダイマーは基底状態一重項のシングレット-トリプレットモデルで理解できる振る舞いを示すと同時に、強い分子間反強磁性相互作用も示すことも明らかにした。
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Research Products
(43 results)
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[Journal Article] Synthesis, crystal structures, magnetic properties and photoconductivity of C_<60> and C_<70> complexes with metal dialkyldithiocarbamates M(R_2dtc)_x where M =Cu^II, Cu^I, Ag^I, Zn^<II>, Cd^<II>, Hg^<II>, Mn^<II>, Ni^<II>, and Pt^<II>; R = Me, Et, and nPr.2006
Author(s)
D.V.Konarev
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Journal Title
European Journal of Inorganic Chemistry (9)
Pages: 1881-1895
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