2004 Fiscal Year Annual Research Report
金属およびセラミックス系ガラスを前駆体とするナノ機能材料の創製
Project/Area Number |
15205025
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
町田 憲一 大阪大学, 先端科学イノベーションセンター, 教授 (00157223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝山 茂 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00224478)
井藤 幹夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00294033)
伊東 正浩 大阪大学, 先端科学イノベーションセンター, 助手 (90343243)
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Keywords | ガラス / 結晶化 / ナノ材料 / 磁性体 / 電波吸収体 / 結晶化ガラス / 固体電解質 / 酸化物イオン伝導 |
Research Abstract |
本研究課題は、金属およびセラミックスガラスを前駆体とするナノ機能材料を創製し、これらの物性を機能化することを目的とした。平成16年度に得られた成果は以下の通りである。 (1)希土類-鉄系急冷合金薄帯を前駆体としてナノ複合磁性粒子を合成し、それらの電波吸収特性を調べた。合金薄帯を水素化後、引き続き酸化することで、微細な鉄粒子が希土類酸化物とともに数十nmのサイズで混合したナノ複合としたのち、さらにこれらをアンモニアまたはメタンガス中で加熱することで鉄窒化物または同窒化物が分散したナノ複合体を得た。その結果、磁性成分がFe金属からFe_3NやFe_3Cとなり、異方性磁界が上昇することから、電磁波の吸収周波数は数GHzから十数GHzまで移動することが明らかになった。また、希土類-鉄系合金にホウ素やコバルト金属を添加することで、吸収周波数は更に上昇し、20GHzの領域まで吸収できることが分かった。 (2)良好な酸化物イオン伝導を示す(La,Sr)(Ga,Mg)O_<3-δ>成分を含むホウ酸塩系ガラスを作製し、これらを前駆体とし、900℃から1200℃で加熱することで結晶化させた。その結果、900℃で加熱した場合LaBO_3相のみが析出したのに対し、1000℃から(La,Sr)(Ga,Mg)O_<3-δ>相が結晶化し、電気伝導度が飛躍的に向上することが明らかになった(800℃において、5×10^<-5>から2-6×10^<-3>Scm^<-1>へ上昇)。得られたイオン伝導度は焼結法によって作製される通常の焼結体のそれ(1×10^<-1>Scm^<-1>)に比べて低いものの、所望の形状に成形可能なガラスから結晶化によって容易に作製できる点で注目される。
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Research Products
(8 results)