2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15206001
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安藤 康夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60250726)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 均 (独)産業技術総合研究所, エレクトロニクス研究部門, 研究員 (30261605)
水上 成美 日本大学, 工学部, 助手 (00339269)
宮崎 照宣 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60101151)
大兼 幹彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手
|
Keywords | 微小トンネル接合 / スピンダイナミクス / 電子ビームリソグラフィー / 収束イオンビーム / コプレーナ線路 / ポンププローブ法 / ダンピング定数 / 磁化反転 |
Research Abstract |
微細加工技術を用いたナノ領域への高密度スピン注入 ・収束イオンビームを用いて,タングステンマスクパターンを作製し,これを用いることにより,最小200×400nm^2のトンネル微小接合を作製し,約30%のMR比を得た. ・スピン注入するためにトンネル素子の絶縁層を薄くして低抵抗化を図った.この結果,約50Ωμmの抵抗値で,磁気抵抗比が約10%の素子を得た. ・低抵抗のトンネル素子に約2x10^6A/cm^2の電流密度の電流を流すことにより,磁化反転の信号を得た. 素子界面におけるスピン緩和 ・強磁性体(FeNi)/非磁性体(Cu,Ru,Pt),および,FeNi/Cu/Pt積層膜の強磁性共鳴スペクトルを測定し,共鳴線幅より緩和時間およびスピン拡散長を見積もった.スピンカレントは強磁性の才差運動によって,非磁性体中に拡散(スピンポンピング)する.Cu内におけるスピン拡散長は室温で約350nm,液体ヘリウム温度で約1000nmであることがわかった. ・スピン拡散長の温度依存性は,非磁性体内でスピンがフォノンにより散乱されるモデルで定性的に説明できた. コプレーナ線路からの高速パルス磁界応答信号測定 ・トンネル接合における強磁性電極の磁化反転に伴うトンネル電流の応答信号測定用プローブシステムを製作し,パルスの立ち上がり時間が50ps,応答信号の帯域が20GHzの特性を得た. ・積層フェリ構造の強磁性トンネル接合における磁性層の反転ダイナミクスを測定するための微小素子を作製した.素子サイズ400nm以下で,反転磁界が13Oeまで低減した素子の作製に成功した.
|