2004 Fiscal Year Annual Research Report
ゲート絶縁膜被覆カーボンナノチューブ作製技術の開拓と量子ナノデバイス応用
Project/Area Number |
15206005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片山 光浩 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70185817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 信一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90324821)
大門 秀朗 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 助手 (20324816)
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Keywords | パルスレーザー蒸着法 / カーボンナノチューブ / 化合物被膜 / 多層被膜 / 金属 / 磁性体 / 超伝導 / STM |
Research Abstract |
本研究では、絶縁膜が均一に全面被膜されたカーボンナノチューブ(CNT)に対し、絶縁膜の先端除去を試みた。さらに、量子ナノデバイス応用に向けた機能性付与という観点から、CNTへの金属被膜、化合物被膜、さらに多層被膜を試みた。 前年度開発したパルスレーザー蒸着法(PLD)によるCNTへの被膜技術を用いて、SiO_2膜を被膜した後、フォトレジストと反応性イオンエッチング(RIE)を併用することにより、先端のSiO_2膜を選択的に除去することに成功した。この絶縁膜除去の技術は、ナノ電子デバイスのほか、パッシベーションが要求される生化学プローブやセンサーなどへの応用が期待される。 金属、磁性体、超伝導体のターゲットをPLD装置に各々装着することによりCNTへの被膜を行った結果、金属、磁性体、超伝導体極薄膜が、いずれの場合も、均一に被膜されており、組成比は、ターゲット材料の組成比とほぼ一致していることが分かった。また、CNTの結晶性を保持したまま被膜されていることも明らかになった。さらに、2種類のターゲットを連続して用いることによりSiO_x/金属の多層被膜を行った結果、1層のみの被膜と同様に、2層共に均一に全面被膜することに成功した。 次に、金属被膜CNTを走査トンネル顕微鏡(STM)探針に応用し、Si表面の観察を行った結果、鮮明な原子像を安定に得ることができた。このように、金属被膜CNT探針は、表面電子状態のSTMプロービングにおいて高い信頼性と再現性を有する探針となることが分かった。
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Research Products
(6 results)