2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15206020
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
新美 智秀 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70164522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 新太郎 岐阜大学, 工学部, 教授 (20023236)
廣田 真史 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30208889)
森 英男 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70362275)
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Keywords | ミクロスケール / 超希薄流 / 共鳴多光子イオン化法(REMPI) / 面-分子干渉 / 自由分子流 / ラングミュア・ブロジェット膜 / 非平衡現象 / 温度計測 |
Research Abstract |
今年度までにREMPIを用いた超希薄気体流計測システムを構成し、真空中へ噴出する窒素の超音速自由分子流の流れ場に適用し、温度非平衡現象を調査した。これには非平衡の程度を示す貯気室圧力(P_0)とノズル出口直径(D)の積(P_0D)をパラメータとして実験を行い、超音速自由分子流内で生起する非平衡現象、並進と回転温度が異なるモード間非平衡現象や回転温度の凍結現象を明らかにした。 さらに、超高真空を維持できる差動排気真空チャンバーを利用した面-分子干渉実験装置を構築し、REMPIを用いた気体分子の固体表面との相互作用、たとえば気体分子のエネルギーおよび運動量交換に関する精緻データの取得に向けた実験が進行中である。 希薄気体流やマイクロ・ナノデバイスまわりの高クヌッセン数流れの解析には、分子レベルの計測法が要求される。分子の発光およびその消光作用を利用した感圧塗料(PSP)や感温塗料(TSP)による手法は高クヌッセン数流れの計測へ適用できる可能性を有している。PSPは酸素気体が固体表面上に及ぼす圧力の計測を目的として開発されたものであるが、PSPは固体表面に入射する酸素分子による発光分子の消光作用に基づいているため、PSPの発光強度は固体表面に入射する酸素分子数流束に依存している可能性がある。単位時間および単位面積あたりの表面上に作用する分子の運動量流束である圧力は分子数流束および速度の両者に依存するが、クヌッセン数の高い領域では固体表面近傍における流体の巨視的速度は0とならないため、分子数流束と圧力が必ずしも一対一で対応しない。本研究では、PSPの発光強度と分子数流束の関係を明らかにし、高クヌッセン数領域で重要となる分子数流束の計測法としてPSPが有用であることを示した。
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Research Products
(6 results)