2004 Fiscal Year Annual Research Report
変位電流・光第2次高調波測定によるフレキシブルナノ界面分子膜の電子物性評価
Project/Area Number |
15206032
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩本 光正 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40143664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間中 孝彰 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (20323800)
野口 裕 情報通信研究機構, 関西先端研究センター, 研究員
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Keywords | 分子膜 / マックスウェル変位電流 / 光第2次高調波 / フレキシブル性 / 帯電現象 / ナノ界面 / 有機FET / 膜パターン |
Research Abstract |
本研究の目的は、分子膜のフレキシブルな構造についての物理を基礎として、有機電子素子作製への展開を円滑にする工学的手法の確立に向け、マックスウェル変位電流(MDC)測定と光第2次高調波(SHG)の同時測定を基礎として、柔構造界面分子膜の電子・光物性を評価する手法を、理論ならびに実験両面から開拓することである。 本年度の研究は予定通り遂行され、以下のような成果が得られた。 (1)昨年度までに、波長可変レーザー光源を用いて、キラル分子(アキラルバナナ分子を含む)の水面上単分子膜における変位電流(MDC)と光第2次高調波発生(SHG)を計測し、その結果、キラル分子において単分子膜レベルでのキラル性の観測に成功していたが、この結果を理論的に解析することができた。とくに、オーダパラメータを導入して、キラル性とSHG発生の関係を明確にすることができた。 (2)アキラルなバナナ型分子について、分子論的な考察から,MDCおよびSHG発生との関係を明らかにすることができた。特に、アキラルなバナナ型分子の集合体が、どのような場合にキラルな性質を示すかを明確にできた。また、実験的にも理論を検証することができた。 (3)フレキシブル性の立場から、界面分子膜のフレクソエレクトリック効果について理論解析した。また、MDC測定結果に現れるフレクソエレクトリック効果を初めて明らかにすることができた。 (4)分子膜のフレキシブル性の特徴は面内パターン構造として現れる。昨年度、導入したブリュスター角顕微鏡をMDC-SHG測定装置に付設し、界面膜のパターンの直接観察に成功した。 (5)有機物の特徴を明確にするため、有機FET素子特性をin-situで評価できるシステムを構築した。また、実際にペンタセンFETの試作をした。
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Research Products
(22 results)