2006 Fiscal Year Annual Research Report
変位電流・光第2次高調波測定によるフレキシブルナノ界面分子膜の電子物性評価
Project/Area Number |
15206032
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩本 光正 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (40143664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間中 孝彰 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (20323800)
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Keywords | 分子膜 / マックスウェル変位電流 / 光第2次高調波 / フレキシブル性 / 帯電現象 / ナノ界面 / 有機FET / 膜パターン |
Research Abstract |
本研究の目的は、分子膜のフレキシブルな構造についての物理を基礎として、有機電子素子作製への展開を円滑にする工学的手法の確立に向け、マックスウェル変位電流(MDC)測定と光第2次高調波(SHG)の同時測定を基礎として、柔構造界面分子膜の電子・光物性を評価する手法を、理論ならびに実験両面から開拓することである。最終年度である本年度の研究は予定通り遂行され、以下のような成果が得られた。 [1]分子のキラリティーと単分子膜の構造との関係を明らかにするために、MDCとBrewster角顕微鏡(BAR)を用いて右手キラル分子からなる単分子膜と左手キラル分子からなる単分子膜の配向状態とドメイン形状を比較した。右手キラルのドメインと左手キラルのドメインは、互いに鏡像の関係になる形状を形成するが、MDC信号は同じ傾向を示すことを確かめた。 [2]理論的に、単分子膜が液晶性を持っていることに注目して、静電エネルギーを面内方向の自発分極が配向ひずみを持っているドメインに拡張した。キラル分子からなる単分子膜のドメインから、電気四重極子密度が発生する事に注目し、キラル分子からなる単分子膜の蓄える静電エネルギーを解析した。電気四重極子の効果によって、単分子膜のドメイン構成分子のキラリティーに依存した形状を形成する事を示した。 [3]昨年度から構築している有機FET用顕微SHGシステムを用いて電荷の注入過程について検討を行い、Off状態における金電極からペンタセンへの電子注入に関して、初めて光学的手法を用いた観測に成功した。 [4]時間分解測定法と顕微SHGシステムを組み合わせ、ナノ秒オーダでキャリア挙動の観測ができるシステムの立ち上げを行った。試験的なデータ取得に成功し、光学的にキャリア挙動を直接観測できるシステム構築への布石を得た。
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Research Products
(41 results)