2004 Fiscal Year Annual Research Report
近接場光学法による窒化物半導体ナノ構造の発光機構解明
Project/Area Number |
15206033
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川上 養一 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30214604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船戸 充 京都大学, 工学研究科, 講師 (70240827)
成田 貴人 日本分光株式会社, 開発部SPM開発課, 課長
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Keywords | 近接場分光 / フォトルミネッセンス / 発光ダイナミクス / マルチプローブ技術 / 先進フォトセンシング / 窒化物半導体 / 量子ナノ構造 / 超高発光効率 |
Research Abstract |
本研究は、ディスプレーや固体照明応用のために不可欠な発光ダイオード、レーザダイオード、新蛍光体の発光効率、波長域拡大などの特性を飛躍的に向上させるための基盤技術の研究・開発をナノ構造における励起子光物性の観点から推進することを目的としている。そこで、(1)近接場光学顕微鏡システムによってInGaN系量子ナノ構造と発光特性の詳細を評価・解析するとともに、(2)InGaN系量子ナノ構造の制御技術とその発光効率の向上に関する研究に取り組んでいる。(1)と(2)は、相互にリンクしており(1)で得られた知見を(2)にポジティブフィードバックさせることによって推進させて行く。今年度は、(1)についてはマルチモード近接場光学顕微鏡システムにおいて得られたデータの物理的解釈が進み、(2)については微細加工基板テンプレート基板上への新規基板面方位上への再成長InGaN量子井戸構造においてピエゾ電界が大幅に低減し発光遷移確率を増強することに成功した。 具体的には、C面のサファイア基板上に数μmの膜圧のGaNエピ層を成長した後に、RIE(Reactive Ion Beam Etching)によってストライプ状にテンプレートを加工する。このようにすることによって、(0001)面以外に非極性面であるサイドウォールの[1120]面(a-面)が現れてその上に成長した量子井戸構造のピエゾ電界をゼロにすることを目指した。もちろん、このことは達成されたが新たに、[1122]ファセットが形成されることがわかった。このファセットの上に形成された量子井戸からの発光内部量子効率は、他のどの面からよりも高く、ピエゾ電界が大幅に低減されると共に、非輻射再結合中心の低減された高品質活性層が形成できることが初めて示された。
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Research Products
(4 results)