2004 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンド薄膜表面の導電性制御によるハイパワー高周波トランジスタの開発
Project/Area Number |
15206043
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
川原田 洋 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90161380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅沢 仁 早稲田大学, 生命医療工学研究所, 助手
宋 光燮 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (50350476)
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Keywords | ダイヤモンド / 電界効果型トランジスタ / 遮断周波数 / ナノスケール表面修飾 / 低抵抗オーミック領域 |
Research Abstract |
本プロジェクトにおける研究開発で、本年度は高い相互コンダクタンスを有する高安定な高周波ダイヤモンドMISFETを実現することを目標として以下の研究目標値を設定し、これに対する成果を得た。 (1)ソース抵抗を5Ωmm以下へ低減する。 ソース抵抗を低減するために、さまざまな手法を検討した。ソース・ゲート間隔の微細化が寄生ソース・ゲート容量を生むことを確認した。この寄生容量は真性チャネル容量の30%以上になるため、Niイオン照射によるソース抵抗低減を検討した。Niイオン照射法におけるダイヤモンド表面の低抵抗化は1018cm-2以上のドーズ量において2kΩ/□以下のシート抵抗が実現できることがわかった。 (2)デバイスモデリングシミュレータを用いて、真性特性の評価を行い、寄生素子成分の同定を行う。 高周波オンウェハSパラメータ測定から求めたトランジスタのインピーダンスf特性からトランジスタの等価回路を同定し、Open-short補正を加えてDe-embeddingを行うことにより真性特性評価を行った。これにより同定された寄生素子成分から、0.2μm以下のゲート長においては100Ω程度のゲート抵抗、80Ω程度のソースもしくはドレイン抵抗が求まり、さらに高い寄生容量が存在することがわかった。今後はこれらの寄生素子成分を低減することで周波数特性の改善を行う。 (3)MIS構造における移動度評価を通してキャリア散乱要因の特定を行う。 オゾン処理によるチャネル修飾手法を工夫して、MISFETの閾値制御を行った。オゾン処理10分程度では10%程度の酸素被服率が得られ、閾値の大幅なシフトが見られ、さらに移動度の改善が見られた。これはアクセプタ濃度の低減による、散乱要因の減少が理由と考えられる。
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Research Products
(8 results)