2005 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンド薄膜表面の導電性制御によるハイパワー高周波トランジスタの開発
Project/Area Number |
15206043
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
川原田 洋 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90161380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宋 光燮 早稲田大学, 生命医療工学研究所, 助手 (50350476)
梅沢 仁 (独)産業技術総合研究所, ダイヤモンド研究センター, 研究員 (80329135)
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Keywords | ダイヤモンド / 電界効果型トランジスタ / 遮断周波数 / ナノスケール表面修飾 / 低抵抗オーミック領域 |
Research Abstract |
従来の半導体であるSiやGaAsでは、素子の微細化と破壊電界の関係から出力電力密度に限界(1W/mm程度)を迎える。このため、SiC、GaN、ダイヤモンドなどのワイドバンドギャップ半導体の検討が急務である。ダイヤモンドはこのなかで、高い熱伝導率と降伏電界により最も高い潜在能力を有する。本研究では、これらを最大限生かすために研究代表者が考案した水素終端表面の2次元正孔ガスによる電界効果トランジスタ(FET)を利用し、世界に先駆けて、ダイヤモンドのミリ波領域での高周波動作と従来の半導体を越える出力電力密度を得ることに成功した。以下に結果をまとまる。 1)平坦性の高いホモエピタキシャルダイヤモンド表面およびアルミナゲート絶縁膜を適応し、ゲート長0.3μmで相互コンダクタンス150mS/mm程度のMISFET(金属-絶縁体-半導体FET)の動作を可能とした。これは、競合するSiC MESFETをよりも高く、同ゲート長のSi MOSFETをも上回る。また、チャネル移動度において300cm2/Vsが得られ、SiC MOSFETのそれの3倍であった。 2)さらに微細化技術の高精度化により、ゲート長0.15μmのセルフアラインFET作製プロセスを開発した。このダイヤモンドMISFETにおいて、遮断周波数30GHz、最大発振周波数60GHzという、目標動作周波数30GHzを大きく上回る特性が得られた。遮断周波数はダイヤモンドFETの中で最も高い値である。 3)上記のMISFETで出力電力密度測定を行い、最高2.1W/mmを得ることに成功した。これはSiLDMOS、GaAsMESFETの最大値1W/mmを越え、従来の半導体を越えるデバイス特性を得ることに成功した。競合するAlGaN/GaN系HEMTより1/5程度小さい値であるが、デバイス構造の改良により、この値はさらに縮まると予想される。
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Research Products
(11 results)